日本マイクロソフト 代表執行役 社長 樋口 泰行氏(左)と愛媛県知事の中村 時広氏(右)

日本マイクロソフトと愛媛県は4月22日、愛媛県が展開する「愛媛マルゴト自転車道」の推進で連携を行なうと発表した。両者が連携して開発を進めてきた「愛媛マルゴト自転車道サービスサイト」の提供を中心に、地域活性化協同プログラムを2015年3月末まで推進していく。

地域活性化協同プログラムは、2009年より日本マイクロソフトとして11の自治体と進めており、1月に締結を行なった愛媛県が12団体目。今回の発表は、観光振興を目的としており、サイクリングイベントを通して地域の活性化を図っていく愛媛県の支援を日本マイクロソフトが行なう。

サービスサイトだけではなく、専用のAndroidアプリも同日より配信を行なう。iPhoneについては開発途中となっており、Windows Phoneは未定。アプリからは、サービスサイト上に現地の画像をアップすることで、しまなみ海道の魅力を自分のコメントと共に発信できる。

会見で愛媛県知事の中村 時広氏は、「(私案だが)より多くの利用者に楽しんでいただけるよう、最も美しいしまなみ海道の写真を撮影された方に、ポンジュース1年分を提供するというのも良いかもしれない」と話し、会場を賑わせた。

Webサイトは、Microsoft AzureとDynamics CRM、bingマップを連携して提供している。今回の発表で注目すべきはDynamics CRMを活用している点だ。

米国・サンフランシスコやマイアミ、英国・ロンドンの自治体では、Dynamics CRMコンテンツ管理システムを活用して、住民の問い合わせや苦情と言ったフィードバックを担当部署や窓口の切れ目なく管理している。今回のコンテンツ管理は、直接住民の情報を管理しているわけではないが、こういった外国の自治体に提供しているシステムをそのまま活用しているという。コンテンツ管理のデータベース運用は、地元のコンソーシアムに提供するため、よりユーザーフレンドリーなUIで利用できることが求められるため、こうした既存のシステムをそのまま活用できる状態にあったことは大きなメリットであったと言えるだろう。

なお、Azureはサイト運営サーバーとして活用されており、タブレットやスマートフォン、PCといったデバイスそれぞれに最適化した連携が図れるメリットや、サイトリクエストが急増する場合でもスケーラビリティを高められるメリットがあるという。

システム連携図

Androidアプリを利用して画像をアップロードし、Dynamics CRMで管理、掲載承認後に実際のサービス上に画像が掲載されるデモンストレーションが行なわれた