マリンソフトウェアは3月31日、モバイル端末向け検索連動型広告市場に関する最新の動向をまとめた「モバイル検索広告~ワールドレポート」(2014年版)を発表した。これによれば、米国では、2015年末にモバイル端末からのクリック数がGoogle検索広告におけるクリック全体の50%に達する見込みであるという。

スマートフォンとタブレットからの検索広告コンバージョン率を見ると、従来はデスクトップPCから行われていたトランザクション(取引)がモバイル端末から行われるケースが増えていることがわかる。また国・地域別の分析では、モバイル端末からのクリック数のシェアは日本で一番割合が高いことが判明した。

マリンソフトウェアでは、スマートフォンやタブレットの世界的普及が今後も続くと同時に、広告主側がモバイル端末向けの予算を強化することから、モバイルが検索広告の主要チャネルに躍り出るものと予測している。

2014年12月には、米国においてモバイル端末からのクリックがGoogle検索広告の全クリックの3分の1を占め、このシェアが2015年末には50%を超えると予測される。スマートフォンとタブレットの普及が進み、広告主にとって、モバイル端末が消費者にリーチするための主要チャネルとなる。

モバイル端末からのクリックのシェア

クリックスルー率が示すとおり、PCよりモバイル端末向けの広告の方が消費者のエンゲージメントを促しやすいと同社では分析している。2013年の米国における平均クリックスルー率(CTR)は、PCと比較した場合、スマートフォンは64%、タブレットは18%ぶん高い値を示した。

デバイス別平均CTR

2013年の米国においては、モバイル端末向けの検索広告のコンバージョン率が1年を通して上昇し続け、モバイルを使った買い物が消費者に広く浸透したことを示している。対前年比でPCのコンバージョン率が35.9%しか伸びなかったのに対し、スマートフォンとタブレットはそれぞれ57%、67%上昇している。特にタブレット端末は、2013年にコンバージョン率が5.5%となり、初めてPC(5.3%)を上回った。

デバイス別平均コンバージョン率(2013年)

米国におけるスマートフォンとタブレットの検索広告のクリック当たりコスト(CPC)は、デスクトップPCよりも低い額にとどまった。その一方で、2013年にはスマートフォンとタブレットのCPCがそれぞれ21%、23%上昇しており、モバイル広告で競争が激化していることを示している。

CPCの推移(2013年の前年比)

国・地域別の分析では、特にスマートフォンの普及が進む地域がモバイル広告も増えている。中でも、モバイル端末からのクリック数のシェアは、日本で一番割合が高いことが判明した。また、モバイル端末の内訳を見ると、日本はスマートフォンからのクリック数シェアの高さ(31%)が目立つ。その一方で、タブレットからのクリック数シェアが4%と低く、特に欧米諸国と比較して、日本ではモバイル端末からのクリック数シェアでスマートフォンの比重が極端に大きいことがわかる。

モバイル端末からのクリック数シェア(国・地域別)