"クリエイティブ"や"創造力"といえば、これまでは一部の業界に限られていたスキルだが、他社との競争や変化への対応につながることから、業界を問わずにフォーカスされている。

まずは創造力のある人でチームを組むのが理想的だが、意識的な組織作りにより各自の潜在性をさらにアップできる。OpenForumの記事「10 Ways to Bring Creativity to Every Part of a Business(企業のあらゆる部分に創造性をもたらす10の方法)」が10のポイントを伝授している。

参加型のブレインストーミングセッションを

ブレインストーミングも向き不向きがある。自分の考えを積極的に言うことに抵抗のないタイプには向いているが、創造性が高い人の中には内向型の人もおり、この人たちのためにブレインストーミングの構造を工夫する必要がある。

全員が参加して最大の効果を得るためには、事前に参加者にトピックを伝えておくとよいようだ。こうしておけば、内向的なメンバーはミーティング前に準備ができるという。

遠隔にいるメンバーからアイディアを取り込む

ベストアイディアは、グループ全員が対面して話し合ったときに生まれると思い込んでいるマネージャーは多い。

だが、これでは遠隔地で働いているメンバーを無視していることになる。離れているメンバーにもプロセスに参加してもらうためには、ネットの力を借りたい。幸いコラボレーションツールは充実しており、無料のものも多いので活用していこう。

組織の枠を超える

創造力はもはや研究・開発やグラフィック部門だけのものではない。顧客サービス、サポートなど、他の部門にもクリエイティブな新しいアイディアを抱いている人はいるはずで、この人たちからインプットを得る方法を考えよう。そのために組織の枠を超えて、全員の知識ベースを大きくしていくよう務めたい。これにより全体の創造力がアップするはずだ。

サイロストーミング

「サイロストーミング」をご存知だろうか。少人数のグループで行うもので、各メンバーは自分の「宿題」に取り組み、リーダーはそれぞれから戻ってきた解決策を1つのリストにまとめる。

これをメンバー全員に提示して議論するわけだが、場合によってはブレインストーミングよりも効果があるという。

他人の感情を尊重

新しいアイディアを提案することが怖く、間違っていたらどうしようと思う人は少なからずいるはずだ。

このような感情はメンバーの潜在性を最大に発揮できない状態を招いてしまう。回避するには、リーダーは各メンバーの感情に関心を払い、安心できる環境や雰囲気作りを進めるしかない。

自分の中にあるバリアを撤去

クリエイティブプロセスの管理に、不安や懸念はつきものだ。不安が高いと成功のレベルは強くなると言われており、逆に言えばミスをしたときに失うものが多くなる。

対処するにはどうすればよいか。それは自分の中にあるバリアを取り外すことだ。恐れの感情は伝染しやすいので、自分が抱いている恐れの感情を抑えて、クリエイティブへの熱意を奨励しよう。

アイディアは確実に実装する

クリエイティブなアイディアが生まれる土壌を整えたら、次は実装することが重要だ。

アイディアを出しても、計画を立てることに終始して実行しないのでは時間が台無しだ。アイディアを実行に移すプロセスも重視する必要がある。

リーダーはブレストに参加すべきではない?

ブレインストーミングでは、リーダーは最初に口火を切るべきではない。部下はリーダーに従わなければいけないとプレッシャーを与えてしまい、自由に意見を言ったり、反論がでなくなるからだ。リーダーはブレストにいないほうがよいという見方もあるという。

創造力が湧き出る余裕を

ルールがたくさんあると、ルールに従うだけになってしまう。すぐに結果を求めず、許容範囲を広く持とう。

リーダーはむしろ、クリエイティブを発揮してもらうためにスタッフに十分なツールを与えているか、自分がやりたいことを追求しているのかを配慮したい。

妥協

創造力のアップは手段であって目的ではない。創造力を模索しすぎると、本末転倒になってしまうので妥協点を持っておくことも重要だ。また、顧客がそこまでのイノベーションを求めていないこともある。独りよがりにならない工夫も必要だ。