宇宙航空研究開発機構(JAXA)と米国航空宇宙局(NASA)は、共同開発して2月28日に、種子島宇宙センターから打ち上げた全球降水観測計画主衛星(GPM主衛星)による初画像を公開した。画像は、発達した低気圧による降水の強さを高度6キロまで立体的にくっきりと捉えていた。

写真1. 二周波降水レーダーによる降水の3次元分布
(提供:JAXA/NASA)

全球降水観測計画(GPM計画)はJAXA及びNASAが進める国際共同ミッション。GPM主衛星と他の協力機関の副衛星群によって1日に複数回、地球全体の降水(雨や雪)を観測する。その要となるGPM主衛星は、JAXAが情報通信研究機構(NICT)と共同で開発した二周波降水レーダ(DPR)と、NASAが開発したGPMマイクロ波放射計(GMI)を搭載している。

写真2. GPMマイクロ波放射計による降水の平面分布
(提供:JAXA/NASA)

初期チェックアウトで取得したデータから試験的に処理を行い、初画像として公開した。3月10日22時39分、日本の東海上(北緯40度、東経167度付近)にある発達した温帯低気圧による降水の強さを画像で捉えた。当時は中心気圧が976ヘクトパスカルと台風並みに発達し、全国的に真冬の寒さとなり、北日本に大雪をもたらした。

JAXAとNASAは初期チェックアウトに引き続き、機器の校正、観測データの精度確認を行った後、打上げ約半年後から、GPM主衛星が観測するデータを世界中の利用者へ提供する。

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