ウイングアーク1stは3月26日、現場部門でのデータ分析・活用を支援する、情報ダッシュボード「MotionBoard」の最新版 Ver.5.0を5月15日より出荷すると発表した。価格は100万円(5ユーザー、税別)。

「MotionBoard Ver.5.0」の画面(顧客の会員情報を元に地図上に表現したイメージの地図)

今回のバージョンアップでは500以上の機能強化をしており、主要新機能としては、インメモリOLAPエンジン、地図機能、Excel連携機能が挙げられる。

「MotionBoard Ver.5.0」の主要新機能

MotionBoard開発本部 統括部長 島澤甲氏は「他社のインメモリは単一ノードで実現しているのに対して、弊社の場合は分散インメモリが特徴で、スケールアップやスケールアウトも可能だ」と説明。 そして、「ボタン操作だけで必要に応じて、インメモリ化が行え、サーバの状態をGUIでマウス操作のみで実現できる」と操作の容易な点をアピールした。

インメモリ技術

地図機能の地図データは同社が独自に開発したもので、標準機能として提供されるという。そのため、地図画像の印刷や配布が自由に行えるのが特徴だという。地図データは日本だけでなく、世界地図が提供され、市街図のレベルまで対応する。また、別の地図データをレイヤ結合することも可能。

地図機能の利用例。左は関東と関西エリアの昼と夜の売上の違いを可視化した地図、右は全世界で支店を展開している企業の予算と売上と利益率の状況を確認できる画面

Excelデータへの対応では、MotionBoard AGENTにより、集計対象のファイルの更新を自動検知し、サーバ上に自動アップロードする機能も備えている。

今回のバージョンではExcel以外にRedShift、GreenPlum、Virticaにも新たに対応(紫色の部分)

MotionBoard AGENT機能

また、同社は同日、クラウド事業に注力していくことも発表。同社はすでにセールスフォース・ドットコムとの業務提携により、「MotionBoard for salesforce」を提供しているが、今後は、単にMotionBoardをクラウド化して提供するのではなく、部門特化型の新たなサービスをクラウドで提供していく。機能強化もクラウドを先行させ、短いサイクルでの機能追加を行い、ある程度まとまったところで、MotionBoardに反映させるという。

クラウドで注力するのはSFA、CRM、DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)などのセールス&マーケティング分野で、第一弾として、6月上旬よりプライベートDMP向けのクラウドBIダッシュボード「MotionBoard Cloud for DMP」のサービスを開始する。

クラウドで注力するのはセールス&マーケティング

「MotionBoard Cloud for DMP」は、企業のマーケティング活動の最適化とROIの最大化を図るために構築されたプライベートDMP内のデータを可視化分析する、マーケティング担当者のためのダッシュボードサービス。インターネット広告をはじめとした各種メディアでの宣伝広告活動、顧客優良化のためのキャンペーン施策効果を、マーケティングダッシュボードとして可視化・分析することにより、マーケティング活動のPDCAサイクルをスムーズに回し、有効な施策を講じるための迅速な意思決定や、関係者への効果測定レポーティングをサポートする。料金は初期設定費用が10万円、月額費用は基本費用(10ユーザー)が10万円/月で、追加費用(1ユーザー)が1万円/月となる。

「MotionBoard Cloud for DMP」が提供する価値

同社では、サービスの提供開始に先立ち、試用版の提供を5月1日より開始する予定だ。

「MotionBoard Cloud for DMP」では、他のDMPベンダー各社と連携し、サービスに必要な付加データを提供するほか、人口統計や気象情報などの統計データも提供する。

「MotionBoard Cloud for DMP」はDMPベンダー各社と連携

販売は直販を基本とするが、連携するDMPベンダー各社を通した間接販売も行っていくという。

ウイングアーク1st 代表取締役社長CEO 内野弘幸氏

同社 代表取締役社長CEO 内野弘幸氏は同社のBI事業の業績について、「クラウドはいろんな情報が取れることが魅力で、それを実現するのがMotionBoardだ。BI事業の売上げは、昨年対比で115%で成長し、業界が平均で6ー8%の中、市場の中でも成長させていただいた。最近は製造業での採用も増えており、現場の方が導入し、運用している例も出てきている。今後は本格的にクラウドサービスを始め、ソリューションベンダーとして成長していく。東京オリンピックが行われる2020年にはソリューションの売上げ比率を40%にし、そのほとんどをクラウドで提供していきたい」と語った。