自分のキャリアについて、ビジョンや計画を持っているだろうか。入社してやっと一年、まだ仕事をこなすのに精一杯という人も、転職するつもりはないという人も、キャリアについて考えておいて損はない。

英メディアのThe Telegraphが、キャリアビジョンについての考え方を「キャリアのビジョンと計画は?(原題:What’s your career vision and plan?)」で説明している。

なぜキャリアビジョンが必要か、まずはここから考えてみよう。「仕事と割り切っている」とは言っても、一週間のうち何日、一日のうち何時間、仕事をしているか考えてほしい。さらには、このご時世、会社が倒産することだって考えられるし、会社の急な事業戦略変更によりリストラもありうる。

記事ではキャリアの目標を持っておく理由として、「自分が得られるものは、自分が目指しフォーカスしたもの」「情報があふれているが、明確な計画があれば、目的をもって情報収集や人脈作りができる」「技術や途上国の安価な労働力により、仕事がなくなってしまう可能性がある」「より高いスキルを求められる傾向にある」などを挙げている。

もちろん、今の仕事に少しでも疑問や不安を感じていたり、嫌だと思っているならなおさらだ。後になればなるほどキャリアの方向転換は難しくなり、後悔することになるかもしれない。

ではどうやってキャリアのビジョンを持てばよいのか、効果的な方法はあるのだろうか? これに対して記事では人生に目標を持つよう薦めている。大げさだが、自分のニーズややりたいこと、自分の価値、スキルなどを指標にすれば具体的になるだろう。次に、時間軸を考えよう。長期的に目指すことと短期的に出したい成果を考えて、自分なりのイメージを描き、それを紙に書いておこう。

同時に、周囲の環境調査を進めてみよう。どんなスキルが不足しているのか、企業側の需要はどうなのか、どの業界がこれから成長が期待できるのか、いまいる業界は成長の見込みがあるのか、といったリサーチだ。また、資金の準備も考えておこう。キャリアの間で空白期間が生じるかもしれないし、独立や起業を考えているならなおさらだ。資格が必要だったり、スキルアップのために学習したいと思ったとき、蓄えがあれば躊躇せずに決断できる。

ある程度の目標ができたらそこで終わらず、定期的に見直しを心がけたい。1ヶ月、あるいは2ヶ月単位でもよい。想像したように進んでいるのか、軌道修正が必要なのか、目標を変える必要があるのかを考えよう。

目標を考え、計画を立て、それに向かって進めるうちに、自分について新しい発見があるかもしれない。ダラダラと過ごすよりは有意義に毎日を送ることができるはずだ。