細部へのこだわりといえば、亡くなったAppleのSteve Jobs氏の数々の逸話が思い出されるが、細部だけにこだわっても全体図なしにはうまくいかない。

ましてや、あなたが上に立つ立場なら、両方のバランスを取って進めることができるかで成否が分かれるといっても過言ではないだろう。

ではどうすればよいのか、Open Forumの記事「細部へのこだわりを改善する9つの方法(原題:9 Ways To Improve Your Attention To Detail)」に参考になりそうなポイントが記されている。

戦略的思考という大きな方向性と細かい作業をきちんとやる。どちらが欠けても船は進まない。前者が欠ければ地図なしで航海するようなものだし、後者が欠ければ修理が必要な箇所に気がつかずに船を進めることになる。以下がOpen Forumのアドバイスだ。

計画が肝心

大きなビジョンをプロセスに落とし込むことができるか、プロジェクトの計画段階を見直してはいかがだろうか。PERTチャート、Ganntチャートなどを学習してみてもよいだろう。両者に関する情報はWebでもたくさん手に入る。時間を投資して使い方を学ぶ価値はあるかもしれない。

コミュニケーションを微調整

チームや参画者に対してビジョンを伝えるときは、相手もイメージが描けるように気を使いたい。「洗練された」「使いやすい」などといった抽象的な言葉を使わず、時期、形、色など具体的に伝えよう。できれば、構想やビジョンの背景、狙いなどを分かりやすく説明する資料も用意したい。

小さいことに気をつける

気をつけることは製品・サービスだけではない。会社の受付や留守の際のボイスメール、身だしなみといった全てが、わずかであっても影響を与えているのだ。会議室をガラス張りにしておくか、ブラインドをおろすのか、細かな違いが大きな差を生むことがある。

一に忍耐、二に忍耐

大きな図に目がいくと、その進行状態が気になってしまう。細部で進んでいることが見えずに、つい"進み具合がおそい"とイライラする場合がある。どんなプロジェクトであっても、華やかさはないが泥臭い作業が不可欠だ。そんなときこそ、忍耐だ。

メンバーを大切に

スタッフやチームメンバー、あるいは外注先など、プロジェクトに関わっている人を大切に扱っているだろうか。

指示の出しっ放しで結果だけを見せろというのではなく、貴重なメンバーという思いを持って接したい。記事では、出来るだけ名前を呼ぶこと(「ちょっと」ではなく「〇〇さん、少しいいかな?」のように)をアドバイスしている。

また、名前がまつわる細かなミス(たとえば、「高橋」か「髙橋」か、「たかた」か「たかだ」か)にも気をつけたい。注意を払ってもらえば、人は思いを共有しようという気になりやすいはず。

品質に妥協なし

品質については妥協しないというルールをチーム内で徹底させよう。競合が出したからといって未完成品を慌てて市場に出すのではなく、時間がかかったとしても納得のいく品質を。