近畿大学と大阪ガスエンジニアリング(OGE)は3月3日、マレーシアにおいてパームやし原料「バイオコークス」の生産実証の導入試験を開始すると発表した。

今回の導入試験は、海外で廃棄されている未利用のパームやし由来のバイオマスを原料としてバイオコークスを製造しようというもの。従来の国内生産にくらべて原料の調達が容易で、原料価格も安いため、大幅な製造原価の削減が期待できるという。

また、近畿大はこれまでの知見を生かし、短時間で効率よくバイオコークスを成形する条件の選定を担当する一方、OGEはLNG(天然ガス)プラントや水素製造プラントなどの設計、建設を行う総合エンジニアリング事業に加えて、石炭コークスを使用したコークスベッド式汚泥溶融炉の建設・運転管理も行ってきており、そうして蓄積したコークスに関する技術、ノウハウを生かし、バイオコークスの実用化に取り組む予定だという。

なお、今回の試験では、OGEが新たに開発したバイオコークス連続製造装置のパイロットプラントをマレーシアの協力企業に設置し、年間650t程度のサンプル製造試験を約2年間行う計画。この試験が成功すれば、本格的実用化開発として、引き続き商用プラントを建設し、バイオコークスの量産化および日本国内の溶解炉などへの販売を目指すとしている。

バイオコークス連続製造試作1号機の外観