ネットワールドは12月24日、長野県茅野市が、市内全13の小中学校の教職員用クライアントを仮想化するプロジェクトで、Citrix XenAppの最新バージョンである「Citrix XenApp 6.5 Platinum Edition」を採用し、実稼働を開始したと発表した。
同市は、先進ICTの活用にも意欲的に取り組んでおり、2008年に、市内全13小中学校の教職員約350名が使用するクライアントPCを、アプリケーション仮想化ソリューション「Citrix XenApp」でシンクライアント化。これにより、USBメモリや個人所有PCの持ち帰りに伴う情報漏えいなどの対策として、学校の重要な情報を安全に管理できるようになり、業務処理のために遅くまで学校に残る必要がなくなり、教職員のワークライフバランスを確保する上でも効果を上げている。
今回、従来の利点を維持しつつ、使い勝手や利便性の向上により業務環境のさらなる改善を図るために、アプリケーション仮想化インフラの再構築に着手した。
新システムでは、自宅パソコンからの安全なアクセスを実現するために、SSL-VPNなどの機能を備えた仮想アプライアンス「Citrix NetScaler VPX」も導入、仮想化基盤には「VMware vSphere」を採用し、今後のユーザ増加やアプリケーション大型化への対応も可能にした。
また、ユーザの利便性を高めるために、従来の公開アプリケーション方式から公開デスクトップ方式へ移行、各教職員がそれぞれ自分のデスクトップ環境を使用できる上、ユーザインタフェースが通常のWindowsパソコンと変わらず、シンクライアントのUSBポートからのデータ取り込みも可能になった。
さらに、従来は業務アプリケーションの重要性に応じて2種類のIDを使い分けて運用していたが、操作や管理が複雑だったため、今回から1つのIDでシステムを利用できる運用に変更したことで業務効率が向上。市内の全校でフォルダを共有できる仕組みを構築し、学校間をまたいだ情報共有や意見交換などに活用されている。