オレガは12月6日、Windows上で複数のストレージを統合して仮想ドライブを構築するストレージ仮想化ソフトウェア「VVAULT(ブイボルト)」のクラウド連携機能を強化した「VVAULT 6.0」を開発し、ダウンロード提供を開始したと発表した。
従来、ストレージのBCP(Business Continuity Plan:業務継続計画)/DR(Disaster Recovery:災害対策)ソリューションでは、ストレージアプライアンスをユーザー企業の別拠点に設置し、2台でデータレプリケーションを行うことが主流だった。この方式だと平常時にフル稼働しない待機系システムに対してもメインサーバと同じ処理能力を持たせることが必要なため、障害発生リスクに対して初期投資金額が過大になり、IT投資余力に乏しい中堅・中小企業(以下、SMB)にはなかなか受入れられなかった。
これに対し、リアルタイムレプリケーション/HA機能を持つ「VVAULT」とパブリッククラウドのVM/VPCを組合わせて待機系システムを構成すると、平常時は最小リソースでデータレプリケーションのみを行い、メインサーバの障害発生時にはスタンバイサーバのリソースを増強して本番運用するという、初期費用と運用コストを安価に抑えたクラウドBCPシステムの構築が可能となる。
さらに、本製品では、クラウドストレージサービスであるAmazon Simple Storage Service(以下、Amazon S3)及びAmazon S3互換のクラウドストレージを仮想ドライブの構成ストレージとして接続可能にしたことで、容量拡張に制限がなく、月額7円/GBと低価格なクラウドストレージを利用した待機系サービスが容易に構築出来るようにった。
また、オレガでは本製品のリリースにあたり、接続速度が遅く常時接続も保証されないクラウドストレージを快適に利用するため、クラウドストレージに保存するファイルを予め最適に分割してローカルストレージにキャッシュする「VVAULT クラウドストア」技術も開発。これにより、データ入出力性能に劣るクラウドストレージを通常のNAS(Network Attached Storage)の様に快適に使用したり、ベンダーによって仕様に差異のあるクラウドストレージを共通のインタフェースで取り扱うことが出来るようになる。