弥生は11月21日、2014年1月14日より、「やよいの店舗経営オンライン」に続く、クラウドサービス第2弾として、「やよいの白色申告 オンライン」の提供を開始すると発表した。これは、2014年1月から、記帳・保存の義務化が所得金額300万円以下の事業所得者も対象になることに合わせてたもの。
国税庁「平成24年度統計年報(申告所得税)」によれば、所得の合計額が300万円以下の人は約147万人になるという。
「やよいの白色申告 オンライン」のサービス基盤は、マイクロソフトのWindows Azure上に構築され、利用金額は年額で4,500円(税別)。ただし、無料お試しキャンペーン(2014年9月30日まで)を利用すれば2014年12月31日まで無料で利用できる。申し込みは2014年1月14日以降、同社のホームページで行える。なお、データ保存において、期間や容量の制限は設けないという。
(注)2014年3月まではベータ版での提供で、正式サービスは2014年4月から。正式サービス申し込みの場合も2014年12月31日まで無料。2014年9月30日以降申し込みの場合は最初の3カ月が無料(ただし。無料お試しキャンペーン申し込みの場合は、適用されない)。
同社はこれまで、白色申告よりも税制上のメリットが大きい青色申告を強く推奨してきた。しかも来年1月からは、これまで義務化されていなかった所得金額300万円以下の白色申告でも、記帳・保存の義務が発生するため、手続きが容易さから白色申告を選択してきた事業者も、今後青色申告にシフトすることが予想される。しかし同社調査では、8割の人がそのまま白色申告を継続すると回答したため、同社はサービスの提供を決定したという。
弥生 代表取締役社長 岡本浩一郎氏は、 「われわれの役割は中小企業をお手伝いすることだ。すべての個人事業主にスムースな確定申告を提供したい」と語った。
そこで、「やよいの白色申告 オンライン」では、これまで業務ソフトを使ってこなかった事業者を対象にしている。
「やよいの白色申告 オンライン」は、「弥生シリーズ」の"かんたん"、"やさしい"をコンセプトに、日常の取引を家計簿感覚で簡単に入力することができるように開発され、HTML5に対応することで、同社製品としては初めてMac(MacOS X 10.6.0以降)にも対応した(WindowsはVista/7/8/8.1に対応)。対応ブラウザはInternet Explorer 9以降、Chrome 31.0以降、Firefox 25.0以降、Safari 5.1以降。
取引の入力画面では、科目によくある取引内容を候補として表示し、内容説明もあわせて行っているほか、用語解説や具体例を表示するなど、その場で悩みを解決できる工夫を行っている。また、入力項目は選択した項目にしたがって、必要な項目のみが表示されるようになっている。
そのほか、、白色申告事業者の記帳義務化に対応し、白色申告事業者の確定申告に必要となる収支内訳書(一般用)および確定申告書BのPDF出力が可能となっている
同社では今後機能拡張を行っていく予定で、2014年春~夏にかけては、金融機関の取引データ自動取り込み、外部連携、集計・レポート機能を追加する予定だ。
また、来年中に「やよいの青色申告オンライン(仮称)」もリリースされる予定だ。なお、「やよいの青色申告オンライン(仮称)」は、パッケージ版と機能差を設ける予定だという。