NECは13日、ビッグデータ事業の強化として、ビッグデータ関連の最先端技術・製品・サービスを「NEC Big Data Solutions」として新たに体系化したソリューションを同日から販売開始すると発表した。
今回発表になったソリューションは、「プラント故障予兆監視ソリューション」、「情報ガバナンス強化ソリューション」、「需要予測型自動発注ソリューション」、「人材マッチングソリューション」の4種類。
プラント故障予兆監視ソリューションは、いつもと違う挙動を自動で発見できる「インバリアント分析技術」を用いて、工場やプラントといった設備に付けられた各種センサの情報を収集・分析し、故障に至る前に設備の不健全な状況を把握。中国電力の島根原子力発電所で実証を実施している。
情報ガバナンス強化ソリューションは、「テキスト含意認識技術」を含むテキスト分析技術やノウハウを活用し、文書全体の意味を理解してリスク等を自動的にスコアリング(重要度判定)する。同ソリューションは三井住友銀行で採用されている。
需要予測型自動発注ソリューションは、大量データに混在する多数の規則性を自動で発見し、高精度の予測や異常検知が可能な世界初の「異種混合学習技術」を活用。売上や気象情報などの多様なデータを基に将来の需要を予測し、発注を自動化するソリューション。 ミニストップで既に採用されており、検証結果を元にした試算で、従来の発注担当者に比べて30%の廃棄ロスの削減や発注作業の効率化を実現している。
人材マッチングソリューションは、画像・テキスト等の非構造化データを含めた膨大な情報から高速に学習する最新の独自技術「RAPID機械学習技術」を活用している。
同技術は、協調フィルタリングを活用した従来のマッチング技術とは異なり、ディープラーニングという多種多様なデータを入力し、大量に学習、ユーザとの関連度を直接推論する技術を採用。求職者と企業との業種・職種等の項目データや自己紹介文等を合わせて最適なマッチングを行う。人材採用プロセスの効率化や企業内の最適な人材配置を支援する。
あわせて、アビームコンサルティングとともに、2015年度までにビッグデータの分析要員を600名に拡充する計画を発表。
今後は、安全・安心・効率・公平で豊かな社会の実現に向け、ICTを活用した高度な社会インフラを提供する社会ソリューションに注力し、ビッグデータ事業を社会ソリューションの中核の一つと位置づけ、強化を進めていく。