UBICは11月7日、ビッグデータの解析を自動で行うソリューション「バーチャルデータサイエンティスト」を発表した。2014年第2四半期のリリースを目指している。
UBIC 代表取締役社長 守本正宏氏 |
バーチャルデータサイエンティストは、同社がこれまで訴訟支援の分野で展開してきた技術「Predictive Coding」を応用するかたちで開発している。
Predictive Codingでは、e-discoveryに基づき企業に保存されている膨大な構造化/非構造化データを分析し、犯罪の有無の判定や、証拠データの抽出を支援する技術。行動情報科学に基づく分析機能と、専門家の調査パターンを学習させるAI機能により、人手による作業と比べて劇的な効率化、調査精度向上を実現しているという。
発表会では、Predictive Codingの概要を説明するために、カルテル調査の例を紹介。まずは、専門家が証拠として抽出するメールのサンプルを「教師データ」として入力し、その中に盛り込まれるキーワードを指定したうえで、企業内の電子メールの解析処理を行い、同様の傾向が見られる疑わしいメールを自動で抽出する。さらに、競合他社とのコミュニケーション量や、「価格」などの文字列が含まれる交渉メールの量をグラフ化し、一般的なカルテルの傾向と照合して分析作業を支援するという。
発表会に登壇したUBIC 代表取締役社長 守本正宏氏は、「こうしたAI技術は訴訟に限らず、さまざまな分野で応用が可能。これまでは、過去のデータから証拠を発見するというのが主な目的だったが、今後は現状のデータから未来を予測するためにも活用してもらいた」と説明。「From Fact Discovery To Future Discovery」というテーマを掲げ、M&Aや医療、BI、テロ対策などの分野で適応していきたいとコメントした。