大日本印刷(DNP)は、ICTビジネスの事業基盤として、日本ユニシスのエンタープライズ・クラウド技術を導入した「DNP柏データセンター」(千葉県柏市)を10月25日に竣工し、12月に稼動を開始すると発表した。

「DNP柏データセンター」

同センターでは、省エネと環境負荷の低減に配慮し、井水を利用した水冷方式と外気空調を採用。これにより、データセンター内のエネルギー利用効率を示すPUEは、サーバ室部分で1.30を実現する。 建物は免震構造で、停電時に燃料供給がなくても72時間稼動する自家発電設備を備えている。

セキュリティでは、ICカードや生体認証による入退室の管理、金属探知機やX線検査による荷物検査、監視カメラや24時間有人監視などによる外部侵入の阻止などを導入する。ラック数は約850ラック規模。

「DNP柏データセンター」内部

このデータセンターでは、第一弾サービスとして、顧客企業のICTビジネスを支援するホスティングサービス「MediaGalaxyクラウド」を開始する。

「MediaGalaxyクラウド」では、利用レベルに応じて、「MGクラウド共用コース」、「MGクラウド専用コース」、「MGクラウドキャンペーンコース」、「MGクラウドIaaS」の4つのコースを用意している。

「MGクラウド共用コース」は、クラウドサービスを複数の企業でシェアする低価格なコース。「MGクラウド専用コース」では、自社のセキュリティポリシーに基づいた運用ができ、SNSサイトとの連携サービスの提供など、他社のサービスとの接続も可能な拡張性の高いコース。

「MGクラウドキャンペーンコース」は、必要なCPUやメモリなどを規模に合わせて構成し、1~6カ月間の短期契約で提供するコース。そして、「MGクラウドIaaS」は、サーバ・ストレージ・ネットワークを小分けにして貸し出すIaaS。価格は仮想サーバ1台あたり月額10,000円~。

また、同社が行っている電子書店や電子チラシ、フォトブックなどの生活者向けICTサービス、スマートフォンを活用したO2O(Online to Offline)プラットフォーム、ICカード、ギフトカードやポイントカードの利用管理など、DNPが企業向けに提供しているASP型のBPO(Business Process Outsourcing)サービスを行うための事業基盤としても活用する。