矢野経済研究所は10月22日、スマートフォン端末を利用した国内EC市場調査の結果を発表した。

調査は7月~8月にかけて、国内のスマートフォン向けECサービスを展開する関連企業を対象に行われた。調査方法は、同研究所の専門研究員による直接面談や電話、Eメールによるヒアリングと文献調査、webアンケート調査を併用している。

なお、同調査におけるスマートフォン・コマースは、スマートフォンをチャネルとして展開しているEC市場の物販系とサービス系、デジタルコンテンツ系、アプリ系といったBtoCに限定している。

発表によると、国内BtoCスマートフォン・コマース市場規模は2012年で8450億円、2013年には前年比で159.4%成長の1兆3469億円に成長すると予測。その後も成長を続け、2014年に2兆413億円、2015年に2兆6677億円と、2兆円を超える規模になるとしている。

矢野経済研究所では、国内EC市場とオフライン小売市場(ECを除く小売市場)においてもスマートフォン経由によるEC化が進むとみている。

スマートフォン・コマース市場規模

スマートフォンの普及が現在のオフライン小売市場におけるEC化も促しつつある一方で、フィーチャーフォンが築いてきた市場はスマートフォンなどその他のプラットフォームへ移行することができず、縮小している分野もあった。特に音楽配信分野など、フィーチャーフォンへの依存度が高いサービス市場が縮小している。

スマートフォン経由でECを利用した経験がある人の比率が最も高かった層は「女性20代」74.0%。以下、「女性10代」55.0%、「男性30代」「女性30代」が共に50.0%となっている。

同社では、「女性20代」はスマートフォン経由でのEC利用について顕著な利用傾向が示されているとしており、特に物品系ECは非常に有望な分野であることが窺えるとの分析を行っている。