東京ビッグサイトで開催中のIT関連イベント「ITpro EXPO 2013」で9日、アイドルグループ・ももいろクローバーZが登場してITに関してジャーナリストの津田大介氏から学ぶというイベント「ITクロ EXPO」が実施された。

ITクロ EXPOと題した特別イベントに登場したももいろクローバーZ。左から有安杏果さん、佐々木彩夏さん、百田夏菜子さん、玉井詩織さん、高城れにさん

先生役として登壇したジャーナリストの津田大介氏

元気よくあいさつをして会場に現れたももクロの5人は、恒例の自己紹介を交えつつ、「先生役」の津田氏からITにまつわる「キーワード」の授業を受けていた。まず津田氏が「スケジュールをどう管理しているか?」と問いかけ、リーダーの百田夏菜子さんや佐々木彩夏さん、高城れにさん、玉井詩織さんがそれぞれ「携帯のカレンダー」と「事務所からのメール」と答える中、有安杏果さんだけが「中学時代から(紙の)手帳に付けている。そちらの方が信用できる」と回答。

ITクロ EXPOの「授業」風景

そうした回答に対して津田氏は、「ITで予定を管理するのは大事で、手帳をなくすと大変だけど、データをインターネット上に保存しておけば、携帯をなくしてもデータをいつでも引き出せる」と話し、こうした「データをどこでも引き出せる」ことを「クラウド」と説明する。

百田夏菜子さん

佐々木彩夏さん

高城れにさん

有安杏果さん

玉井詩織さん

続いて、津田氏が5人の使っている携帯電話の種類を聞くと、全員がスマートフォンを使っていると回答。5人全員がスマートフォンを使っており、国内のスマートフォン利用者の割合を7~8割と回答するメンバーだが、実際は3割程度、と驚くももクロのメンバー。

時に楽しそうに、時にマジメに授業を受けるももクロのメンバー

さらに、現在提供されているスマートフォンのアプリが、AndroidとiOS向け、双方ともに100万程度であり、このアプリがスマートフォンの普及を促進している点を強調する津田氏。

もう1つの「ITを語るキーワード」として津田氏があげたのがソーシャルメディア。TwitterやFacebook、LINEといったソーシャルメディアについて津田氏は、「個人個人が情報をやりとりするときに、みんなが見ている中でやりとりするメディア」と説明。

こうしたクラウド、スマートフォン、アプリ、ソーシャルメディアというキーワードに加えて、津田氏が「ITで一番熱いキーワード」として紹介するのがビッグデータだ。

例えばコンビニスイーツで一番人気なのはシュークリームだが、一見地味に見えるエッグタルトはシュークリームを超えるリピーター率で、こうしたことを分析し、仕入れなどに生かすために、客の購入行動をビッグデータとして活用している、と説明する津田氏。

このビッグデータは、ももクロの仕事にも生かせる、と津田氏。例えば、Twitter上で「ももクロ」に関する書き込みを分析すると、昨年のNHK紅白歌合戦にかけて一気に書き込みが上昇。グラフを分析することでそれは予測できていた、ということで、「次のイベントではこうした方がいいとかが分かる」と話す。

Twitter上のももクロの情報を分析することで、紅白歌合戦で大きな話題になることが予測できた

津田氏は、今までテレビの前で口にするだけだった視聴者の声が、Twitterなどで公開され、分析できるようになり、今後の戦略が立てられるようになる、と話し、「どんな職業でも、ITやビッグデータが役に立つ時代になってきた」と解説。「仕事や生活で、スマートフォンを含めてITが色んな形で役に立っている」とアピールする。

「(ももクロが行う)ライブとかでみんな(観客)が何を思っているかは分からないけど、ITやソーシャルメディア、ビッグデータがあることで、それが分かるようになったし、分析することで、色んな戦略が立てられるようになり、けっこう未来のような時代になってきた」と話し、津田氏は「授業」を締めくくった。

授業を受けてももクロのメンバーは、「ITってすごいお堅い感じがして、ITとか分からなかったけど、案外身近なところにあって、どんどん便利になっていくとおもって、いいことだと思いました」(玉井さん)、「改めてITってすごいんだなって思いました。ITってすごい遠いような存在だと思っていたけど、コンビニとか、近い存在なんだと思った。ももクロのリピーターもこれからどんどん増えればいいなと思いました」(有安さん)、「あまりインターネットとか使ったことがなくてパソコンも苦手だけど、すごい身近だと思ったし、もっとうまく活用できたらいいなと思いました」(佐々木さん)、「自分のスケジュールが分からないときは(音楽ニュースサイトの)ナタリーさんとか見たりするので、インターネットをもっと活用したいと思います」(百田さん)と、それぞれ感想を述べ、それぞれITをさらに身近に感じるようになったようだった。

授業の最後は、もちろん「ぜーっと!」で締め