デルは8月21日、米Dell エンタープライズ・ソリューション部門のプレジデント マリウス・ハース(Marius Haas)氏の来日に合わせ、グローバルエンタープライズ事業のビジョンと戦略に関する記者説明会を開催した。

マリウス氏は冒頭、先週発表されたグルーバルにおける同社の四半期決算の概要を説明。

米Dell エンタープライズ・ソリューション部門 プレジデント マリウス・ハース氏

「成長としては横ばいであったが、PCのセグメントではマイナス5%と安定化してきており、ソフトウェアでは対前年比138%、対前四半期では5%の成長となっている。エンタープライズ分野は、対前年比8%、対前四半期では7%の伸長となり、サーバ、ストレージ、ネットワークのエンタープライズのディビジョンでは大きな勢いがついている」と、同社のエンタープライズ事業が好調に推移している点を強調した。

同氏は、好調な業績の背景について「デルはこれまでさまざまな会社を買収してきたが、それらのソリューションを統合して提供してきた。デルは今後も、エンタープライズ領域の対して統合型の製品を提供することにより、5年前のデルとは違うということをお客様に気づいてもらえるだろう」と述べ、 サーバ、ストレージ、ネットワークを統合したソリューションを提供することにより効率的な管理ができ、それが顧客に認められている点が好調な業績につながっているとの見解を示した。

マリウス・ハース氏は統合型システムで顧客にイノベーションを提供すると語った

そして今後の戦略については、「重要なのはビジネスモデルで、いかにオープンなアーキテクチャを採用し、標準化し、コモディティ化を進めていけるかどうかだ。だからこそ、お客様は継続的に投資できる。Density Optimized Server(高密度サーバ)やモジュラー型のコンピュータノードによって、レゴのブロックを積み上げるようにどのような規模のシステムにも対応できるようにすることがわれわれの長期的な戦略だ。それによって、サーバ、ストレージ、ネットワークが最適化された環境をお客様の中に構築できる」と説明した。

デルのテクノロジービジョン

また同氏は日本市場について「アジア地域はデルにとってキーとなる市場で、日本への投資も惜しまない」と語り、米Dell アジア太平洋地域/日本 コンシューマビジネス部門エンタープライズ・ソリューション事業統括バイスプレジデントのフィリップ A.デイビス氏は、そのための戦略としてチャネル(パートナー)を重視していく姿勢を強調し、次のように述べた。

米Dell アジア太平洋地域/日本 コンシューマビジネス部門エンタープライズ・ソリューション事業統括 バイスプレジデント フィリップ A.デイビス氏

「デルはチャネルに対して積極的な投資を行っており、進捗もうまく推移している。アジアパシフイック地域のパートナー経由の販売は約38%で、日本ではもっと高い。アジアパシフィック地域のビジネスは伸びているが、チャネル経由の販売はそれを上回る形で伸びている。われわれが今後マーケットシェアを取っていく上で、日本においても大きなビジネスチャンスがあるが、そのチャンスは東京、大阪だけではない。東京・大阪以外のデルの直販カバー率は弱い面があり、その点でおいてはチャネルを使う必要がある。また、日本ではハードウェアだけでなくシステムインテグレーションを同時に求めるお客様が多いが、すべてをデルが提供することはできない。そういう面でもチャネルの力を借りたいと思っている。ここ2-4年、チャネルの成長は加速していくものと期待している」