日本オラクルは7月31日、IBMメインフレーム専用のアプリケーションをオープン環境に移行する「Oracle Tuxedo ART」の最新版「Oracle Tuxedo Application Runtime for IMS 12c R1」の提供を開始した。金融・製造・運輸などの業界で導入されている大規模メインフレーム上のIBM製IMSアプリケーションの移行および実行環境を提供するほか、移行に向けたコンサルティングサービスも提供する。

Oracle Tuxedo ART IMS 12c R1は、トランザクション処理システムであるIMS TMの実行環境を提供するものであり、メインフレームで稼働するIMSオンラインのビジネスロジックを変更せずにそのままオープン環境上で実行することができ、これまで投資してきたビジネスロジックやデータが保護される。また、階層型データベース管理システムであるIMS DBの移行をサポートするため、プラグイン可能なプログラムも提供される。

他社製ツールを利用して、IMS DBからオラクルデータベースに代表される標準のリレーショナルデータベースに移行し、オープン環境で実行することが可能となる。

Oracle Tuxedo ART IMS 12c R1によって移行されたIMSアプリケーションは、C/C++/COBOLアプリケーション向け分散トランザクション処理基盤「Oracle Tuxedo」と組み合わせることで、動的なリクエスト経路設定や負荷分散、リソース管理が可能となる。例えば、システムを停止させないサーバの動的な追加や、障害時にはサーバ間の自動フェールオーバが実現されるため、性能や信頼性の要件が厳しいアプリケーションの実行にも対応する。

またCOBOL/C以外のプログラミング言語のアプリケーションの移行や、国産メインフレームからオープン環境への移行に関しては、言語変換、帳票、運用ツールなどを提供するパートナー企業と協業し、Oracle TuxedoまたはOracle Tuxedo ARTを基盤としたオープン化の提案を行い、ソリューションや技術サポートを提供するという。

価格は、211万9600円/プロセッサ(税別)。