東日本電信電話(以下、NTT東日本)、慶應義塾大学SFC研究所(以下、SFC)、国立情報学研究所(以下、NII)、日本電信電話(以下、NTT)およびパナソニックシステムネットワークス(以下、PSN)は、欧州委員会(EC)が実施するFramework Programme 7(FP7)と連携して、情報通信研究機構(以下、NICT)が研究委託する 「新世代ネットワークの実現に向けた欧州との連携による共同研究開発」を平成25年4月1日に受託したと発表した。

共同研究の全体像

同研究では、モノのネットワークとクラウドを融合するネットワークサービス基盤技術の研究開発を推進し、スマートシティを実現することを目標としている。この研究により、共通のサービス基盤を用いたスマートシティサービスを構築することが可能となり、新規サービスの創出に要する金銭的かつ時間的コストが短縮されることが期待される。

これにより、情報サービスを自治体等が短期的かつ低コストで提供することが可能となり、他のプラットフォームやサービス提供者が、情報サービスを利用することができるようになる。さらに、その都市に存在する人が、独自のサービスを創出できる。

目標を達成するためのアーキテクチャとして、次の3つのレイヤー(カテゴリ)に機能分担のうえ、データ収集から加工、様々なシティサービス提供の検討までを行う。

各受託者における具体的な取り組みは以下のとおり。

名称 説明 担当
City Infrastructure as a Service(CIaaS) オープンなAPIを用いて、あらゆるデバイス、データ、計算機資源にシームレスにアクセスできる、都市のデータを収集する基盤を構築 IoTデバイスの仮想化【NTT】、既設デバイスやソーシャル・ネットワークのセンサ化【SFC】、都市データの相互接続性【NTT】、ユニバーサルサービス記述【SFC】
City Platform as a Service(CPaaS) NIIはサービス化されたセンサ、デバイスを組み合わせて高品質、高信頼なサービスを提供するプラットフォームを構築 高信頼IoTサービス統合手法の開発【NII】、データ/イベントストリーム自己修復機能の開発【NII】
City application Software as a Service(CSaaS) CCIaaS、CPaaSを活用し、都市における市民の生活・公共サービス向上のためのアプリケーションを構築 社会イベント検出・可視化・活用手法の開発【SFC】、公共空間マネジメント・活動支援手法の開発【PSN】

また、平成25年7月2日に、東京都三鷹市および神奈川県藤沢市それぞれと、共同研究検討に関する協定締結に至り、今後、本格的に「モノのネットワークとクラウドを融合するネットワークサービス基盤」に関する共同研究を開始し、平成26年よりフィールドトライアルを東京都三鷹市と神奈川県藤沢市において、実施する。

なお、本研究では、今後3年間(平成28年3月末まで)、研究計画にもとづき、日欧技術者の交流を図り、EUの共同研究者と連携し、日欧の双方のスマートシティに関わる経験、技術を組み合わせることで、日欧で適応可能なネットワークサービス基盤を実現する。