米海洋大気局(NOAA)は、米ハワイにあるマウナロア観測所で測定した大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が、1958年の観測開始以来、初めて400ppm(1ppmは100万分の1)を超え、9日に最高値(400.03ppm)を記録したことを発表した。
ハワイ島の標高3397メートル地点にある同観測所は、産業活動などの影響を受けにくく、地球上でもっとも長期間CO2濃度を測定し続けている。CO2は典型的な温室効果ガスで、この濃度変化は地球の温暖化対策の重要な指標となる。同観測所の観測当初は年に0.7ppmほどのCO2濃度上昇率だったが、最近10年間はその3倍にあたる年2.1ppmのペースで増えている。
地球全体では、19世紀の産業革命前の平均CO2濃度は280ppmと推定されている。国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は、400-440ppmが継続すると、気温は2.4-2.8度C上昇すると予測している。世界の平均気温は2005年までの100年間で0.74度C上昇した。その上昇を2度C以内に抑えるには、CO2濃度を450ppmまでに抑制する必要があるとしている。
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