NECは18日、ロシア最大の携帯電話事業者であるMobile TeleSystems OJSC(以下、MTS)にフェムトセルシステムを納入。MTSは、同システムを活用して、ウラル地域の企業を対象に、4月から商用フェムトセルサービスを開始したと発表した。

フェムトセルは、屋内に設置する超小型の無線基地局であり、携帯電話の電波を、屋内に引き込まれているブロードバンド回線を利用して送受信でき、電波が届きにくい室内でも携帯電話が利用できるようになることから、電波不感エリアを解消する手段として採用が進んでいる。

企業はMTSの新サービスを利用することで、オフィスの地下部分や、厚い鉄筋コンクリートで囲まれた倉庫、郊外の工場など、従来は携帯電話の電波が届きにくかった場所でも、クリアな通話と高速なデータ通信を利用できる。

MTSは、ロシア全土で携帯電話サービスを提供しており、MTSとNECは、すでに提供しているシベリア、および今回のウラル以外の地域においても、商用フェムトセルサービスを提供することを今後検討。新サービスにより既存の法人顧客の満足度向上を図るほか、屋内における高い通信品質を活かして、新規法人顧客の開拓を進めていく。

今回、NECが受注したシステムは、オフィスや工場内に設置するフェムトセル並びに、フェムトセルをMTSのコアネットワークシステムに接続するためのゲートウェイシステム。

NECは、これまで培ってきたICT、通信ネットワークの技術を活かし、携帯電話の基地局向けや通信事業者向けコアネットワーク向けなどのシステムの提供を通じて、今後もICTインフラを支える通信事業者向けシステムおよびソリューションを展開していく。