NECは、工場や発電所などの大規模な施設(プラント)向けに、設備の状態を分析して、故障の可能性となる状態を把握できる「大規模プラント故障予兆監視システム」を開発した。これにより、プラントの予防保全が可能となり、安全性や可用性を確保することにつながるとしている。

このシステムでは、プラント設備に設置されたセンサーの情報を収集し、「インバリアント分析技術」を用いて解析を行う。同技術はNECが独自に開発した技術であり、設備等が"いつもと違う"挙動を示したことを自動的に発見するもので、専門知識や複雑な設定は必要ない。これにより、センサーから集めた膨大な情報から、設備が健全な状態を自動的に定義しておき、通常と異なる挙動があれば"故障の予兆"として検出することが可能となる。異なるセンサーから得られる複数の情報を関連付けて、あたかも熟練の技術者が行うように設備の状態を総合的に分析するため、単純なしきい値による判定よりも迅速に故障の予兆を発見できる。

NECは、中国電力の協力を得て、島根原子力発電所にて実証実験を行なってきた。2011年8月から2012年11月にかけては、センサー情報を解析して不具合事例を検出するテストを、2012年12月からは技術訓練用施設にて擬似的な設備故障を予兆する実験を行い、良好な結果を得られたという。

同社では、2012年2月に「ビッグデータ戦略プロジェクト」を立ち上げ、ビッグデータを活用した技術・製品開発や実証実験などを進めてきた。今回のシステムは、社会インフラ分野におけるソリューション提供の一環であり、海外展開も視野に入れた開発を続けていくと述べている。

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