NECは4月3日、サーバ、OS、ストレージ、ネットワークなどのハードウェアに、データベースやアプリケーションをあらかじめ組み込んだ状態で出荷し、客先でのインテグレーションやチューニングなどの時間やコストを削減する垂直統合型ソリューション「NEC Solution Platforms」9機種を6月28日から順次出荷すると発表した。すでに出荷済みのInfoFrame DWH Applieanceを加え、今後10機種で展開する。
「NEC Solution Platforms」には、ハードウェアにDBなどの実行環境ミドルウェアや運用管理ミドルウェアを組み込んだ、ビッグデータ活用に最適なデータ解析・蓄積基盤となる「Data Platform Suite」(2モデル)、特定業種・業務向けにアプリケーションまで組み込み最適化した「Application Platform Suite」(5モデル)、ハードウェアに運用管理ミドルウェアを組み込んだ企業や専門事業者向けに最適化したクラウドサービス基盤「Cloud Platform Suite」(3モデル)の3種類がある。
「Data Platform Suite」には、オラクルの協力のもと、Oracle Databaseを組み込み、チューニングを施した「Data Platform for Oracle Database」を用意。2ソケットサーバのシングルノード構成の最小構成価格は1,480万円で6月28日から出荷される。同社によれば、同じ構成のチューニングを実施していない場合と比べ、トランザクション性能は10倍以上になるという。
「Application Platform Suite」では、同社の強みであるIP-PBXをベースにホテル業務パッケージも製品化。9月下旬からホテル業務基盤として1,500万円から北米で展開を開始。また、国内では客室タブレットソリューションパックを900万円から販売し、順次グローバルで展開する。
そのほか、「Application Platform Suite」には、Exchange ServerやSharePoint Server、Lync Serverを組み込んだオフィス業務向けのコラボレーション基盤(5,000ユーザーで5,980万円~)や、シンクライアント基盤(500クライアントで9,500万円~)も用意される。
さらに、全国550社の販売パートナーが自社のソフトを組み込んで販売するOEMモデル「Application Platform for Partner」も提供。東京にパートナー支援センターを設け、5月から受け付け、7月から出荷を開始する。現在、10数社と交渉中だという。
そして、「Cloud Platform Suite」では、2010年に製品化したクラウドサービス基盤「Cloud Platform Suite エンタープライズパッケージ」、「同 スタンダードパッ ケージ」について、対応OSの拡充や設定項目の拡大などを実施し提供するほか、データセンターの効率的な運用が求められる事業者向け「同 データセンターパッケージ」について、今回、最新の省電力ICT機器を採用するとともに、ICT機器とファシリティの連携管理機能を強化する。
また、同社は10月から「NEC Solution Platforms」の運用・監視や保守サポートを行う「NEC Solution Platformsサポート」の提供も開始する予定だ。
NEC システムプラットフォームビジネスユニット 執行役員常務 庄司信一氏は、「ビックデータやクラウドサービス、仮想化を活用し、省力化・効率化のほか、新たな価値を創造したいとお客様は考えているが、これまでは、導入までに長い時間がかかったり、品質に問題があったほか、コストもかかっていた。今回の製品で導入スピード、低コスト、信頼性を提供し、ICTの真の価値を提供したい」と語った。そして同氏は、売り上げ目標として今後3年間で海外も含め500億円を掲げた。