富士通とシンガポール科学技術庁(以下、A*STAR)は3月26日、高性能計算(HPC:High Performance Computing)やビッグデータなどを活用し、都市開発ソリューションを創出するための先端研究組織(CoE:Center of Excellence)設立に向け、協議の開始について基本合意し、その第一歩である共同研究テーマ設定に向けたワークショップを4月から開始すると発表した。

今回設立予定のCoEでは、都市のグリーン化、交通量マネジメント、エネルギー効率化、コンピュータを活用した社会システム、ビジネスの発掘などを含む、主要な持続可能性分野の研究を行う。

これにより、輸送・エネルギー網の管理や都市グリーン化、災害の最小化や新規ビジネス創出など、シンガポールの社会発展と持続可能な都市開発のための次世代ソリューションの創出を共同で目指す。

両社の共同研究における役割分担は、A*STARの組織である、Institute of High Performance Computing(以下、 IHPC)が、複雑なシステムや社会的行動の知識と、シンガポールの関連機関から提供されるライブデータをHPCで分析する技術を活用して共同研究をリード。富士通は、これまでの実績で培ったビッグデータ活用に関するノウハウとコンピュータシミュレーション技術を提供する。

具体的な検討案は、「交通量マネジメント分野の研究:交通渋滞の予測や最適な交通網整備と管理を目的とした、通勤経路、移動経路などの分析」、「エネルギー効率化分野の研究:最適なエネルギーマネジメントを目的とした、エネルギーの供給量と消費量の分析」、「コンピュータを活用した社会システム分野の研究:消費者の行動や生活スタイルのような社会情報をほぼリアルタイムで処理するシステムやメソッドの開発」。

富士通とA*STARのほか、シンガポール国立大学(National University of Singapore)、シンガポール国立研究財団(National Research Foundation)と、富士通研究所なども共同研究に参加する。