欧州委員会(EC)は3月6日(ベルギー時間)、米Microsoftが欧州で提供することになっているブラウザ選択画面を合意通りに提供しなかったとして5億6100万ユーロの罰金を言い渡した。「Internet Explorer」のバンドルが独占禁止法違反と判断されたMicrosoftはブラウザ選択画面を提供する和解案で同意していたが、これを守っていないとECは判断した。

MicrosoftによるWindowsのIEバンドルは競争法(独占禁止法)違反と判断したECは2009年12月、Microsoftがブラウザ選択画面「Browser Choise Screen(BCS)」を提供することで和解した。期間は5年で、Microsoftは2014年まで欧州市場でBCSを提供する義務がある。

ところが2012年7月、Microsoftが2011年5月にリリースした「Windows 7 Service Pack 1」でBCSを提供していないとし、調査を開始した。ECは調査の結果、Microsoftは2011年5月から2012年7月までBCSの表示を怠ったとしており、Microsoftもこれを認めているという。この期間、約1500万人のEU在住者が選択画面を提供されなかった、とECは述べている。なお、合意を遵守しなかったことに対してECが企業に罰金を課すのは今回が初めてという。

ECによると、BCSは2010年3月より実装され、同年11月までの間に同画面を経由したブラウザのダウンロードは8400万回あったとのことだ。