景気動向をはじめ先行きが不透明な時代、安定した仕事に就くことは以前ほど簡単ではない。やっと就職したとしても、想定外の異動や出向と先は読めないし、会社そのものが存続の危機にさらされる可能性もなきにしもあらず。こんな時代だからこそ、社会人になる前にしっかりと身につけておきたいことがある。

Open Forumの「長期的に成功するために、学生のうちに必要なこと(原題 : What College Students Need for Long-Term Success)」では、4つの資本を身につける必要があるとアドバイスしている。

1. 自分資本

まずは自分という資本。つまり、自分自身を理解しておこう。長所、短所、目標、興味のあること、情熱をもっている分野などを考えるとよいだろう。

また、どのような環境に強いのか・弱いのか、やる気をかきたてられる状況やパターンなどを分析しておくのも面白そうだ。褒められると伸びるのか、叱咤に強いのかなどだ。この辺りの分析は、通常の学校生活ではわからないかもしれない。見当がつかないという人は、コーチングや啓発セミナーを受講するというのもひとつの方法だろう。

2. 知の資本

自分が知っていること、つまり知識の資本だ。得意な学科やスキルは何だろう? 専攻と一致する人もいれば、しない人もいるのではないだろうか。わからないという人は、誰かと話をすることを想定してみよう。居心地よく1時間ほどの会話を続けられるテーマがあるだろうか?

記事によると、大学を卒業していても知識の資本を持たない人が多いという。社会人になればスキル開発は必須だが、気がついてみたら得意ではない分野だったという可能性がある。時間のあるうちに、自分はどのようなスキルを開発したいのか、どのような分野を追求したいのかを知っておきたい。

3. ソーシャル資本

あなたが知っている人、あなたを知っている人。つまりコネクションだ。上下の関係も、ヨコの関係も含む。スマートフォンのアドレス帳に登録されている人数は?

その中で、家族以外で年上の人は何人いるだろう? 専門的なアドバイスがほしいとき、頼れる人が何人いるだろうか? 引っ越しすると聞いて、手伝いにきてくれる人が何人いるだろうか? 違う大学、違う学部にも知り合いがいるだろうか?

4. 金融資本

即お金と想像するかもしれないが、そうではない。金融面での資本は、知の資本とソーシャル資本が交わったところにできる。つまり、あなたが知っていることや得意なことを必要とする人に出会ったときだ。就職活動での面接とは、採用担当者や企業との関係を構築し、あなたがその企業が必要としている知識やスキルがある人だと説得する場所なのだ。

このように、持つべき資本を4つに分類して考えておくことは、社会人になってからのあなたを私生活、仕事面の両方で充実させてくれることだろう。時間がある学生のときに、考えてみてはいかがだろうか。