NECは、同社が提供する公共図書館向けのクラウドサービス「GPRIME for SaaS(ジープライム フォー サース)/図書館」を活用して杉並区立図書館の図書館システムを構築し、2012年10月より提供を開始していると発表した。
杉並区立図書館では東京23区で最大規模の約230万冊の蔵書を保有しており、図書館システムの処理性能については極めて高い水準が求められる。また、図書館システムの更改にあたり、安全・確実な個人情報管理の仕組みと、最新の利用者向けサービスを短期間で導入することを目指していた。
NECは、専用のネットワークやデータベースシステムを構築し、個人情報保護とセキュリティ対策に関する杉並区の要求水準に応えるとともに、アプリケーション機能はクラウドサービスを利用することで、将来的な変化に柔軟に対応でき、かつ、長期的に利用が可能な図書館システムを低コストで実現した。
また、今回構築したシステムは、クラウドサービスのメリットを活かして最新の利用者サービス機能を容易に追加できる拡張性の高いシステムとなっており、RFID(無線ICタグ)を活用した自動貸出機や電子書籍の貸出サービスなどを今後容易に追加することが可能。
杉並区立図書館は、従来と比較して図書館全体のシステム管理・運用コストを5年間で約4割削減できると見込みで、この削減したコストを、図書館利用者へのサービス強化に充てることが期待されている。