野村総合研究所は11月21日、国内を中心とするICT(情報通信技術)主要4市場について、2017年度までの動向分析と規模予測を公開した。同社は2000年から毎年、このような市場予測を行っている。

発表によると、デバイス市場においては今後、車載情報端末やデジタルカメラといったさまざまな専用端末が次第に淘汰され、スマートデバイス上のアプリケーションに置き換わっていくとみられている。

ネットワーク市場については、今後、市場の縮小が続くという。「固定ブロードバンド回線」「法人ネットワーク」「携帯電話回線」の3分野を対象とした狭義のネットワーク市場の規模は、今後5年間で合計約3000億円減少する見込み。同社は、スマートデバイスの普及による通信量の増大などにより、通信事業者間の競争において、提供エリア / 速度 / 料金を左右する「ネットワーク力」の重要性が高まるとみている。

コンピュータ同士が通信するM2M(マシン・トゥ・マシン)市場は、スマートグリッドなどのエネルギー領域の成長などにより、2017年度に約8700億円まで市場規模が急拡大する見通し。

ICT市場規模予測(発表資料より)

プラットフォーム市場に関しては、BtoC EC(消費者向け電子商取引)市場において年率10%以上の高成長が続くという予測。また、スマートフォンの普及によりリアルビジネスとネットビジネスの連携が進むことで、O2O(オンライントゥオフライン)市場が2017年度には約51兆円に拡大するとみられている。

コンテンツ配信市場については、電子書籍市場が2012年度の約1400億円から、2017年度には約3700億円まで拡大。欧米の大手ネットビジネス事業者の参入や、スマートフォンでのコンテンツ閲覧の増加によって、サービス競争の活性化が続くとされている。

ソーシャルゲーム市場の成長率は、ソーシャルゲームの利用者数がほぼ頭打ちになっていることから鈍化する見通し。同市場の2012年度の市場規模は約5400億円で、2017年度の市場規模は約7700億円と予測されている。

なお、今回の市場分析や予測の詳細は、単行本「ITナビゲーター 2013年版」として11月23日に発売される予定。