あなたは勤務時間中にTwitterやFacebookをチェックしているだろうか? これらサービスを利用するユーザーなら、9時から5時までの勤務時間中は一切利用しないことの方が難しいように思える。だが会社にしてみれば、従業員のFacebook利用は生産性損失の点で気になるところだ。先にLearn Stuffが公開したインフォグラフィック「How Social Media is Destroying Productivity」によると、米国経済への影響は、Google、CHASE Bank(米国の大手銀行)、Chevron(石油大手)の3社を合わせた価値に相当するぐらい大きいという。

まずは基本的情報から。Facebook、Twitter、LinkedIn、Pinterestなどのソーシャルメディアはどのぐらい普及しているのか。

インフォグラフィックが公表した図によると、ネットユーザーの3人に2人がソーシャルメディアサービスにアカウントを持っているとのこと。例えばFacebookは先にユーザー数が9.5億人に達したと報告しているが、これは世界の人口の13%にあたり、米国での普及率は42%に達している。Twitterはユーザー数が1億4000万人を数え、1日のツイート数は3億4000万件(2012年)という。これは、2010年の2700万から12倍以上の増加となる。YouTubeは1日あたり40億件のビューがあり、比較的新しいサービスであるPinterestも、すでに2000万人が利用しているという。

次に利用状況を見てみよう。われわれはオンラインで費やす時間の22%をSNSに使っている。サービス別に月平均利用時間を見ると、Facebookは933分、Twitterは89分、Pinterestは405分、LinkedInは21分とのことだ。SNSサイトのブラウジングに費やす時間の累計は、米国だけで1日122億0742万時間以上と計算されている。

本題の「生産性への影響」に入ろう。上に挙げた数字からして想像に難くないが、「生産性が大きく低下している」というのが結論だ。

例えば、10人に1人が業務よりもネットに多くの時間を費やしているという。時間を浪費する訪問先のトップ5としては、Facebook(41%)、LinkedIn(37%)、CNN(29%)、Amazon(25%)、YouTube(13%)とのこと。実に、10人に6人が業務中にSNSサイトを訪問していると認めている。

人とやりとりするのがソーシャルメディアの目的である。つまり、ツイートの数やFacebookの滞在時間が増えているということは、生産性という点ではユーザーがユーザーの足を引っ張り合っていることになる。チャットやツイート、Facebookメッセージなど業務に関係ないソーシャルメディアの"妨害"が発生しているのは、平均して10.5分間隔という。そして、"妨害"の後、その従業員が業務に戻るまでに23分がかかるというのだ。

Facebookからメッセージが届いているというお知らせを受け取り、読むだけと思いながらサイトにアクセスしたら、メッセージを読み、返信するだけでなく、他のことも行っていた……心当たりがあるという読者もいらっしゃるのではないか。

総じて、これが米国経済に与える影響は、なんと年間6500億ドル。これは喫煙のための休憩によって損なわれるとされる経済効果の7倍であり、Google、Chevron、CHASEの価値を合計したものになるという。ソーシャルメディアを利用するユーザーが1人いると、会社には年間4452ドルの損失が発生することになる。

インフォグラフィックでは、学生の学業に与える損失も指摘しており、「これだけの時間をソーシャルメディアに費やす価値があるのか、今一度問い直すべき」と提起している。