富士通は11月8日、静岡県榛原郡川根本町にある川根本町立いやしの里診療所に、無床診療所向け医事・電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-RX(ホープ イージーメイン アールエックス)」を提供したと発表した。

遠隔地診療システム「ふじのくにねっと」イメージ図

このシステムは、静岡県の広域医療連携ネットワーク「ふじのくにねっと」に接続されており、静岡県立総合病院をはじめとする県内7院の中核病院との間で、診療情報の相互参照が可能となる。

川根本町は、都市部から自動車で1時間以上を要する山間部の地域であり、高齢化率が40%以上と極めて高いうえに、町内の診療所は5件のみで、医師不足が課題となっており、「ふじのくにねっと」を活用した医療データ連携を必要とされていた。

「ふじのくにねっと」は同社の地域医療ネットワーク「HumanBridge EHR ソリューション」を活用して構築されており、このソリューションに装備されている診療情報連携機能により、同ネットワークに接続している病院、および診療機関の電子カルテや検査画像などの参照が可能となる。

今回の導入により、シームレスな医療連携や、迅速で的確な医療サービスの提供などが期待でき、また、いやしの里診療所では、2012年3月よりビデオ会議システムを利用した静岡県立総合病院の専門医による診療カンファレンスを実施しており、本システムを活用することで、専門医はいやしの里診療所での診療情報を参照しながらアドバイスができる。

本システムの導入を通じて川根本町は、遠隔診療支援のモデルを確立し、他の診療所にも同様のシステムを導入する計画となっており、町内外の医療機関、および関係機関の連携をシームレスにすることで、医療の高度化と効率化を図り、より安心・安全な診療を提供できる環境の整備を目指す。