OKIは11月7日、顔認識技術を応用し、映像による交通量計測システム「映像トラフィックカウンター」を開発したと発表した。同システムは、カメラ映像から交通量計測で必要な通過車両台数と、高精度な大型車・小型車の車種分類の計測ができる。

従来の交通量計測には、人による計測と、超音波方式・ループコイル方式などの装置によるシステム計測があるが、近年、膨大な費用がかかる人による計測に替わり、装置によるシステム計測の整備が進められてきた。しかし、装置によるシステム計測の場合、設置するために大規模な交通規制をともなう設置工事や装置の運用・維持管理が必要となるなど、初期費用や運用・維持管理費用で大きなコストが発生するため、装置の設置や運用・維持管理が容易で従来システムと同等以上の性能を有する新システムの登場が期待されていた。

OKIは、これらの課題に着目し、開発から10年以上の技術蓄積のある高度な顔認識技術を利用し、交通量計測で必要な通過車両台数の計測と高精度な大型車・小型車の車種判別も可能な映像方式による交通量計測システムとして「映像トラフィックカウンター」を開発した。

特に大型車・小型車の車種判別は、従来、車長・車幅・車高のいずれかで識別されていたが、同システムを用いると、複数の車両情報を組み合わせて車両形状を推測し判別するため、より精度の高い識別が可能になるという。

同システムは、映像を取得する「撮像部(カメラ)」と取得した映像から交通量や交通事象を計測する「処理部」から構成され、「撮像部」と「処理部」は計測場所に設置され、計測結果をIPネットワーク経由で配信先である上位装置へCSVファイル形式で転送する。

これらは、道路脇の柱などへの設置が可能なため、大規模工事を行う必要はなく、装置の設置や運用・管理も容易であるため、低コストで導入が可能。また、プライバシーにも配慮し、映像データとしては蓄積しない仕組みとなっている。

なお同社は、同システムを道路管理者向けとして2012年度内の商品化を目指すとするほか、ソフトウェアの追加により容易に機能追加ができることから、今後、渋滞・落下物検知などの機能拡張を計画している。

「映像トラフィックカウンター」構成例