日本IBMは9月6日、イオンアイビスがサポート業務を担うイオングループの生鮮食品の発注システムなど、グループ企業や業務ごとに分散していた6台のサーバを、イオングループの統合基盤システムとして、IBM Power Systemsサーバ「IBM Power 770」2台に仮想化統合し、2012年6月末から稼働を開始していると発表した。

IBM Power Systemsサーバ「IBM Power 770」

今回稼働開始した統合基盤システムは、イオングループで扱う生鮮食品の発注計画や発注システム、プライベートブランド「トップバリュ」の在庫管理業務、物流管理業務、輸入管理業務などのシステムを移行し、統合したシステム。移行に際して、イオングループ各社のIT最適化の視点から、応答時間の向上や業務処理量の増加にも柔軟に対応できる高い性能、障害時でも業務を停止させない高い可用性、運用管理まで含めたITコストの削減といったシステム要件を実現した。

同システムは、イオングループ内の国内約20社、500以上の店舗および商品部員を対象に、約1,000名以上が利用する。生鮮食品の発注計画業務や店舗発注業務、在庫管理業務、物流業務など、複数台のサーバを2台に仮想化統合して処理することで、サーバ設置スペースが従来の半分以下になっただけでなく、消費電力も低減でき、より低コストなシステムとなった。また、サーバ統合すると同時に、IBMのリモート監視サービスも採用したことで、運用管理コストは約50%削減できたという。

システムは、1台のIBM Power 770を、「Power VM」によって仮想化したシステムで、これまで部門別に稼働していた5台の「IBM System i」をIBM i 7.1が稼働する複数の論理区画へ、1台の他社製大型UNIXサーバをIBM AIX 7.1が稼働する複数の論理区画へそれぞれ移行し、仮想化統合した。

今回導入したIBM Power 770は予備プロセッサを搭載しており、キャパシティ・オン・デマンド機能によって、システムを停止することなく4倍の処理能力まで増強することが可能で、今後、イオングループは、さまざまなシステムを今回導入したIBM Power 770に統合していく予定。また、システムのシンプル化と運用管理コスト半減が実現されたことで、災害対策の強化も検討している。

なお、統合基盤システムのデータは、冗長化した2台のストレージ「IBM Storwize V7000」に格納し、テープ装置「IBM System Storage TS3100」にバックアップしている。V7000は1台から最大40台(1,440TB)まで増設でき、他のストレージ装置と合わせて最大32PBまで管理可能。これにより、今後のシステム統合にあたり、データ容量が増加しても、ストレージ装置を買い換えることなく、既存資産を活用しながら拡張していくことができる。

「IBM Storwize V7000」

テープ装置「IBM System Storage TS3100」