トヨタ自動車は8月9日、東日本大震災において被災した岩手県釜石市地域の仮設住宅地と同市市街部を結ぶ新たな交通機関として、オンデマンドバスシステムの実証実験を釜石市と共同で10月から行うことに合意したと発表した。

実証実験期間は2012年10月から2015年3月までとし、運行地域は釜石市の北部と市街部の区間を計画している。

オンデマンドバスシステムの概要

実証実験は、一般交通の便が悪い仮設住宅地において、乗客需要に応じた柔軟な運行を行い、また復興に伴って変化する街の交通事情にも追従できるシステム構築を目指すもの。

トヨタはオンデマンドバスの運行のベースとなる「オンデマンド交通システム」の提供を行い、釜石市は、同市が所有する小型バスを使用し、トヨタのシステムを活用したオンデマンドバスの運行を行う。このシステムを他の地域にも展開し、交通の不便な地域での生活の改善に寄与することを目指していく。

同社は、昨年6月に東日本大震災被災地域の支援活動の継続的推進を目的に「ココロハコブプロジェクト」を発足、昨年7月には「社会貢献活動」などを通じ、復興に寄与するための具体的活動を公表しており、今回の「オンデマンド交通システム」提供もこうした活動の一環と位置付けている。