酒造会社や食品製造会社から提供された残り物などを下水処理場の汚泥に混ぜてバイオガスを生産、新たに3,000世帯の需要を満たす量の都市ガスとして7月から提供する、と神戸市が発表した。
協力する会社はいずれも同市東灘区の下水処理場近くにある3社で、食品や酒の製造過程で出る有機物を汚泥に混ぜることで、有機物の8-9割をガス化できるだけでなく、汚泥処理に大きな役割を果たしている微生物の働きを高める効果も期待できる。
食品や酒の製造会社から提供される有機物に加え、間伐材など木質系バイオマスも同様に利用し、こちらは汚泥の脱水性を高め、焼却処理を効率化する効果も期待できるとしている。
神戸市のバイオマス検証プロジェクトは、既に国土交通省の下水道革新的技術実証事業に採択され、これまで2,000所帯の需要に相当するガスを大阪ガスの配管に送り込んでいる。矢田立郎神戸市長は、市のプロジェクトが食料生産と競合しないバイオマス利用システムであることを強調し、「将来は、水ビジネスとして海外への普及も考えていく」と語っている。
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