NECは、人間では発見が困難な、多数の規則性をビッグデータから自動で発見する異種混合学習技術を開発した。この技術は、高精度な予測や異常検知に役立てることが可能なものとなっている。

近年、インターネットやセンサーなどから集まるビッグデータを分析し、現状の問題を明らかにしたり、将来の予測に役立てる技術への期待が高まり、データに存在する規則性を自動抽出する機械学習技術が広く用いられている。

このたび開発された異種混合学習技術は、ビッグデータに混在するデータ同士の関連性から、特定の規則性を自動で発見し、分析するデータに応じて参照する規則を自動で切り替える。これにより、単一の規則性のみを発見して参照する従来の機械学習では分析が困難だった、状況に応じて規則性が変化するデータであっても、高精度な予測や異常検出が可能になる。

同技術をビルの電力需要の予測に活用した場合、外気温・曜日・時間帯などと電力消費量の関係が一定していないビルにおいても、収集したデータに混在する様々な規則性を発見できる。これを活用することで、高精度な予測を行うことができるという。また、医療領域に活用した場合、日常生活において収集しているデータから異常パターンを発見することで、見つけるのが難しい病気の早期発見への貢献が期待できる。

なお、NECはイギリス・スコットランドで開催される機械学習技術に関する国際学会「The 29th International Conference on Machine Learning(ICML2012)」会期中の6月28日に、この成果の発表を行う。