日本オラクルは6月14日、同社のデータベースマシン「Oracle Exadata」に最適化し、高速なデータ・バックアップと復元を実現するストレージ新製品「Sun ZFS Backup Appliance」の国内提供を開始したと発表した。

「Sun ZFS Backup Appliance」

今回提供を開始するストレージは、Oracle Exadataのデータ・バックアップ用途として事前構成・検証されてため、汎用ストレージを導入する場合と比較して、バックアップ環境の構築を短期間で実現する。高パフォーマンスと高キャパシティの2種類の構成で提供され、ラック収納およびケーブル配線を事前に済ませておくことにより、ハードウェアの設置にかかる手間も省いている。

1時間当たり最大20TBのバックアップ、最大9.4TBの復元を実現するパフォーマンスを発揮し、Oracle Exadataと汎用ストレージの組み合わせと比較した場合、データのリカバリ時間を最大4倍短縮するという。

また、予測的セルフ・ヒーリング機能(オペレーティング・システムがサーバの監視を行い、サービスの管理・再起動やハードウェア障害の検出・解析、故障個所の切り離しなどを自動で行う機能)と障害管理アーキテクチャにより最適な可用性を実現することで、内在するデータの不具合を自動的に発見・診断し、復元エラーのリスクを低減、また損傷したデータをビット単位まで修復することが可能となる。

さらに、40Gbpsの広帯域を実現するInfiniBandを経由し、バックアップおよびリカバリの計画を自動化する「Oracle Recovery Manager」を使用することで、追加のサーバーや他社のバックアップ・ソフトウェアを導入せずに効率的なデータ保護環境を構築できるという。

その他に、Oracle Exadata向けに開発されたデータ圧縮技術「Hybrid Columnar Compression(HCC)」に対応し、システムのクローニングを実行、HCCで圧縮されたデータベースのコピー上でフルにシステムを稼働させることができる。

今後、クラウド・マシン「Oracle Exalogic Elastic Cloud」、「SPARC T4」プロセッサとオペレーティング・システム「Oracle Solaris」を搭載した「SPARC SuperCluster T4-4」のバックアップ・ストレージとしても最適化する予定となっている。

Sun ZFS Backup Applianceの詳細や価格は次のとおり。

項目 Sun ZFS Backup Appliance(高パフォーマンス構成) Sun ZFS Backup Appliance(高キャパシティ構成)
最大ストレージ容量 1.5PB 1.7PB
基本構成 55TB(ディスク回転数15,000RPMのSAS-2ディスクを使用) 132TB(ディスク回転数7,200RPMのSAS-2ディスクを使用)
書き込み用フラッシュ 最大1.2TB 最大1.2TB
筐体形状 7ラックユニット(コントローラ用3ラックユニット、ディスク用4ラックユニット) 7ラックユニット(コントローラ用3ラックユニット、ディスク用4ラックユニット)
ネットワーク接続 10Gbps Ethernet、40Gbps QDR InfiniBand 10Gbps Ethernet、40Gbps QDR InfiniBand
最小構成価格 2,228万2,619円(ハードウェア構成のみ) 1,847万8,269円(ハードウェア構成のみ)