コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は5月29日、2011年度の著作権侵害対策支援活動の概況を発表した。
発表内容によると、2011年度に同協会が捜査に協力して刑事摘発が行われた事案は83件。前年度の45件より大幅に増加しているが、摘発件数増加の主な原因は捜査機関側の体制強化によるもので、著作権侵害行為自体が急増したわけではないという。
また、2011年度は著作権侵害の形態が多様化しており、同協会が関わった事案としては初となる、ファイル共有ソフト「BitTorrent」を使用した行為や、動画配信サイトへの違法アップロードなどに対する著作権侵害の摘発が行われた。また、インターネットオークションの悪用事案でも、オンラインストレージサービスに保存したソフトウェアの入手およびインストール方法を記したマニュアルの出品、カーナビゲーションソフトの更新代行といった新形態の事件の摘発が行われている。
2011年度に摘発の対象となったコンテンツのジャンルは多岐にわたっており、同協会は「多様なコンテンツが著作権侵害の被害を受けている実態が明らかになった」としている。
このほか同協会は、組織内におけるソフトウェアの不正コピー防止およびソフトウェア管理を推進する目的で、ソフトウェア管理者養成講座の開催や、ソフトウェア管理に関する連載記事のWeb掲載などの活動を行っている。
また、2011年度に同協会の不正コピー情報受付窓口に寄せられた情報は106件で、情報提供をもとにACCS会員企業が和解を行った件数は51件とのこと。ACCS会員企業からの報告によると、1998年度以降の和解金の累計総額は約99億1000万円になったという。