科学技術振興機構(JST)、物質・材料研究機構(NIMS)、情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)、国立国会図書館(NDL)の4団体は5月28日、「ジャパンリンクセンター(JaLC)プロジェクト運営にかかる覚書」を締結した。

近年、学術論文や書籍などの学術コンテンツの分野では、所在情報の管理や、アクセス可能な環境を永続的に保つことを目的として、コンテンツごとにデジタルオブジェクト識別子(DOI)と呼ばれる番号を付ける動きが広まっている。たとえば、世界最大のDOI登録機関とされる米国CrossRefでは、全世界で5400万以上の学術論文にDOIを付与している。しかし、日本ではDOI付与コンテンツは150万報程度と少なく、特に日本語で書かれた学術コンテンツに対して、アクセス環境の整備が望まれているという。

このような状況を受けてJSTら上記4団体は、日本国内で発行される学術コンテンツの所在情報を一元管理し、これらの相互リンクを実現する仕組みとしてJaLCを立ち上げ、今回、同プロジェクトの運営に関する覚書を締結した。なお、JaLCは3月15日に国際DOI財団から、世界で第9番目のDOI登録機関に認定されている。

今後、上記4機関が中心になって、日本の学術コンテンツの発行・提供・流通に関わっている各機関に参加を求め、DOIの普及によって国内および海外の情報サービスの利便性向上と国内学術コンテンツの国際的流通の促進を図る。