富士通研究所は4月5日、出力電力容量2.3kWでは世界最高の変換効率94.8%を達成したサーバ用電源を開発したと発表した。
サーバ向けの電源は、外部から供給される交流電圧(200V)を、サーバの動作に必要な安定した直流電圧(12V)に変換するが、この際に変換損失が発生する。サーバ全体の消費電力を削減するためには、電源の変換効率を高め、損失を減らすことが重要である。
電源内部では、スイッチ素子である電界効果トランジスタ(FET: Field Effect Transistor)が連携してオンとオフを繰り返し電圧の変換を行っている。この回路に大電流が流れると、FETのオンとオフ時にデッドタイム損失と、スイッチング損失の2つの損失が発生する。
同社では、デッドタイム損失を低減するデジタル制御技術、およびスイッチング損失を低減する新回路技術を開発し、最大出力2.3kWの電源を試作。出力電力容量2.3kW、電圧12Vの サーバ向け大容量電源では世界最高となる変換効率94.8%を達成した。この技術により、サーバの消費電力を削減されるだけでなく、電源部からの発熱を抑制することで、冷却ファンの省電力化、電源の小型化が可能になる。
同社では、この新技術を適用した電源を2014年のサーバ製品へ搭載することを目指すという。