米サンフランシスコで会見するKamala D. Harris司法長官

米カリフォルニア州のKamala D. Harris司法長官が2月22日(現地時間)に、モバイルアプリケーション・プラットフォームを運営する主要6社が、モバイルアプリを通じてインターネットを利用するユーザーのプライバシー保護改善に合意したと発表した。

Harris氏は、モバイルアプリでも「カリフォルニア州オンラインプライバシー保護法」に従ったプライバシー保護を徹底することをモバイルアプリ・プラットフォーム大手に求め、Amazon、Apple、Google、Hewlett-Packard、Microsoft、Research In Motionが合意書に署名した。同法は、カリフォルニア州において個人に関する情報を収集する商用Webサイトやオンラインサービスに対して、消費者にプライバシーポリシーを明示するように求めている。インターネットにアクセスするモバイルアプリも例外ではないが、実際には「モバイルアプリ販売のほとんどにプライバシーポリシーが含まれていない」とHarris氏は指摘する。2月上旬にソーシャルサービスPathがiPhoneユーザーに無断で連絡先のデータを収集していたことが明らかになり、米国ではモバイルアプリの情報収集に関して透明化を求める声が高まっていた。

合意内容には、プライバシー保護に関して2つの原則が含まれる。1つは、アプリストアにおけるプライバシーポリシー表示の徹底。具体的には、モバイルデバイス・ユーザーがアプリをダウンロードする前に、アプリのプライバシーポリシーを確認する機会を設け、またアプリのダウンロード画面にもプライバシーポリシーに消費者がアクセスできる場を用意するように求めている。プライバシーポリシーに虚偽を記したり、内容が守られない場合、アプリ開発者がカリフォルニア州の不正競争防止法違反または不当広告防止法違反に問われる可能性がある。もう1つは、モバイルアプリ分野におけるプライバシー保護の周知・浸透だ。消費者のプライバシーを尊重する責任、収集する情報の種類・用途・提供先などを消費者に開示する義務を、アプリ開発者が意識するようにプラットフォーム提供者が働きかける。また、プライバシー保護が不十分なアプリを消費者が報告するツールをプラットフォーム提供者が用意することで、プライバシー保護法準拠が改善するように努める。

Harris氏は「プラットフォーム各社は(プライバシー保護の)原則を受け入れ、実践に取り組み始めた」としている。しかしながら現段階では、プライバシー保護改善がモバイルプラットフォームに組み込まれる具体的なプロセスやスケジュールは不明なままだ。同氏は今後6カ月の間に、モバイル分野におけるプライバシー保護について、モバイルプアプリ・プラットフォームを運営する各社と話し合いと持つという。