難問、奇問で知られるGoogleの入社試験問題――同社に入社するつもりはなくても、Webなどで紹介されている問題を見たことがある方もいるだろう。気にはなったけれどあまりにも奇問過ぎて、答えを考えるのをやめてしまったという人も多いかもしれない。

今回は、Googleの入社試験対策を伝授するBusinessWeekの記事「The Google Interview Cheat Sheet」(Googleインタビューのカンニングペーパー)を紹介したい。著者のWilliam Poundstone氏は就職のノウハウ本で知られる人で、『Are You Smart Enough to Work at Google?』(あなたはGoogleの面接試験にパスできるか?)などの代表作を持つ。面接試験を受ける予定がない人も、頭の体操がてら考えてみてほしい。

Poundstone氏は記事で、例題を挙げて落とし穴と考え方を記している。以下、2つの例題を見てみよう。

例題1

たくさんの1セント硬貨があり、積み上げるとエンパイアステートビルと同じ高さになる。この1セント硬貨はすべて1つの部屋に入れることができるか?(You've got a stack of pennies as high as the Empire State Building. Can you fit all the pennies in one room?)

落とし穴

「この手の問題では、最初に浮かんだことはほぼ間違っていることが多い」とPoundstone氏。「部屋の大きさによるでしょう」という答えが浮かんだあなたは、まんまと引っかかったことになる。

回答例

エンパイアステートビルを100階として(正確には102階立て)、1つの部屋に硬貨を詰め込むため、まずは硬貨を床から天井までの高さとなる100分の1の高さにする。これが100列できるわけだ。問題には「1セント硬貨」と明記されている。1セント硬貨の直径は2センチ足らず。例えば、10列×10列と並べても、20センチメートル×20センチメートル――風呂場のスペースすらとらない面積と言える。

例題2

ある男が自分の車をホテルにぶつけて全財産を失った。一体、何が起こったのか?(A man pushed his car to a hotel and lost his fortune. What happened?)

落とし穴

「ハイテク企業の面接では、ギミックのある問題はいわば伝統と言える」とPoundstone氏。これは「評価というよりも嫌がらせ」で、Googleの採用担当はこの手の問題を少なくしようとしているのだそうだ。しかし、業界の伝統であれば遭遇する確率はかなりあり、これを通過しないことには入社できない。

回答例

「この男性はモノポリーをしていた」。意表を突くような質問にも当惑することなく、「試そうとしている面接担当と一緒に楽しむ余裕がほしい」というのがPoundstone氏のアドバイスである。

いかがだろう? このところ企業の入社試験や面接ではユニークな質問が増えており、Googleの入社を狙っていなくても、考え方の参考になりそうだ。