企業や組織に悪影響を与える従業員とはどんな人だろうか? 「イノベーションを起こしたければ、こんなタイプの従業員は即クビにせよ」と助言する記事が、経済誌『BusinessWeek』に掲載されている(「いますぐにでもクビにしたい従業員3タイプ(原題:Three Types of People to Fire Immediately)」)。

日本よりも解雇が頻繁な米国らしく、業績に悪い影響を与える人は解雇すべきというシビアな意見だが、プロのビジネスマンとして参考にしたい意見もある。

(1)犠牲観念が強い人

問題が起こった時、「課題にぶち当たった」と考える人もいれば、「ヒドイ目にあった」と迫害あるいは犠牲的な考え方をする人もいる。後者は、人、プロセス、モノとあらゆるものに責任転換して、自分は「被害者」「犠牲者」と考える。とりあえず、望ましくない事態が生じているのだから、不機嫌だったり憤慨していたりすることが多い。話せば不平や不満だらけだろう。

こういうタイプは、えてしてチャンスではなく問題を探していることが多く、「イノベーションを起こせない」と筆者。

(2)悲観的な人

「一生懸命やってもムダ。うまくいくはずがない」と考えるタイプも注意したい。チームや企業がイノベーションを起こせるかどうかは、「イノベーションを起こしたい」という精神力にかかっている。つまり、自分たちができると信じることから始まるのだ。

「自分たちの成功を信じること」と「実際に成功できること」の関係はかなり強いという。優れたリーダーはこの関連性を知っているので、できると信じるタイプの従業員を積極的に引き入れて昇進させる。一方、悲観的な人や諦めが早いタイプの感染力のパワーも理解しているので、チームから外そうとするわけだ。

(3)知ったかぶりをする人

知識が多いことは決して成功の秘訣ではない。「優れたイノベーターとは、常に学ぶ姿勢を忘れない人であり、すべてを知っている人ではない」と筆者。イノベーションを起こすような企業やチームを目指すなら、学ぶ社風作りが大切だ。知らないことを知りたいと思う向上心や好奇心にあふれた人が揃えば、思わぬ相乗効果が出るかもしれない。

反対に、知ったかぶりや知識が多すぎる人は向上心やひらめきに劣ることが多い。すぐに手順を飲み込むタイプはチヤホヤされるが、概念を打ち破ることができないことが多いという。

いかがだろうか? この機会に、自分に与えられている任務や会社に対する姿勢を見直すのもよいだろう。リーダーの立場にある人は、上記のタイプをメンバーに当てはめて、チーム構成を考え直してもよいかもしれない。