日商エレクトロニクスとジュニパーネットワークスは12月7日、ジュニパーネットワークスの製品導入のコンサルテーション、設計、構築、保守などの総合的な技術サポートを提供する新会社「ジェイネットワークイニシアティブ株式会社」を共同で設立したと発表した。
設立は11月2日付けで行われており、営業開始日は2012年1月1日となる。
日商エレクトロニクス 代表取締役社長の瓦谷晋一氏は、「当社はジュニパーが日本法人を構える前から提携を結んでおり、両者の間には長い付き合いがある。当初は通信業者向けのルータの販売を行っていたが、その後、一般企業向けのスイッチ製品やセキュリティ製品の販売も開始した。今年はデータセンター向けのスイッチ製品としてQFXシリーズの取り扱いも開始し、新会社に当社のエンジニアを投入し、データセンター向けの製品の販売を拡大していきたい」と、新会社にかける意気込みを語った。
ジュニパーネットワークス 代表取締役社長の細井洋一氏は、数あるパートナーの中から日商エレクトロニクスとタッグを組んだ理由を次のように説明した。
「今回、なぜ日商エレクトロニクスと組んだのかというと、1つは、日本法人が立ち上がる1996年から当社にアプローチしてくれていたことがある。もう1つの理由は、当社にとって強力な競合の製品を取り扱っていないからだ。当社はこれまでおもしろい技術には投資を惜しまないでやってきたが、販売に対する投資を行ったのは今回が世界で初となる。エンタープライズ分野におけるネットワーク業界を変えていきたい」
さらに細井氏は、「IBMはグローバルのアライアンスパートナーの1社なのだが、国内では数万名の従業員を抱えるIBMに対し、当社は規模感が違う。IBMと対等にビジネスをやるには、パートナーと組んでやるしかないと考えた」とも話した。
新会社の代表取締役社長を務める牧野孔治氏は、新会社を設立した背景について、「クラウドコンピューティングにはこれまでとは違う信頼性や可用性が求められるが、これらを顧客に提供するには、技術サービスが不可欠。また、クラウドを根付かせるには、製品とサービスも進化する必要がある。こうしたことを実現すべく、新会社を立ち上げた」と説明した。
新会社のオフィスは日商エレクトロニクスがジュニパーネットワークスの検証設備を設置した技術センター「NETFrontier Center」と同じフロアに構えられる。日商エレクロトニクスと共同で、同センターの活用を行っていく。
日商エレクトロニクスの親会社はグローバルなビジネスを展開する総合商社の双日が控えているほか、日商エレクトロニクス自身も今年10月にベトナムに法人を立ち上げており、新会社は国内にとどまらず、アジアをはじめとした世界の市場を視野に入れたビジネスを考えているという。