米IBMは10月4日(現地時間)、セキュリティベンダーの米Q1 Labsを買収することで合意したと発表した。あわせて、セキュリティ事業強化にあたってセキュリティシステム(Security System)事業部を新設、RSA Sercurityを擁する米EMCなど競合に対抗する。

Q1 Labsは非公開企業で、買収金額など詳細は公開されていない。買収は2011年第4四半期中に完了を見込む。

Q1 Labsはセキュリティインテリジェンスプラットフォーム「QRadar」を土台に、ネットワーク、アプリケーション、ユーザーアクティビティ、モバイルなどからログ、脅威、脆弱性、リスク関連データの収集、保存、分析を行うソリューションを提供する。

同ソリューションはポリシーベースでシステム全体のセキュリティ対策を講じることができ、プラットフォームアーキテクチャによりシームレスにアプライアンスを統合したり、セキュリティ機能を拡張したりすることが可能だという。ヘルスケア、エネルギー、小売、財務など1800社以上の顧客を抱える。

買収後、Q1 Labsは新たに立ち上げたセキュリティシステム事業部に入り、CEOのBrendan Hanningan氏はゼネラルマネージャに就任する。同事業部はTivoli、Rationalなどのセキュリティソフトウェア、アプライアンス、サービスをカバーし、Q1 Labsの分析技術によりセキュリティインテリジェンス機能を補完する。

IBMはこの10年間、約10社のセキュリティ企業、約25社の分析企業を買収しており、これらの技術を統合する。また、Q1 Labsの技術を利用して、ソフトウェア、ハードウェア、サービス、リサーチ向けに共通のセキュリティ土台を構築する計画も明らかにしている。