情報通信研究機構(以下、NICT)は8月25日、線量計をスマートメーターの無線機と接続し、継続的に常時放射線量を測定し、その測定値の時間的な変化を収集・表示することに成功したことを発表した。

NICTが開発したスマートユーティリティネットワークの標準化ドラフトに準拠した無線機(以下、SUN無線機)は、電源投入時にサービスエリアに応じて、マルチホップ通信によるメータ間のデータ収集・配信経路を自動的に構築する。また、災害時で給電できない場合にも駆動が可能なように、アクティブ期間/非アクティブ期間を有効に利用した省電力化を実現する通信方式を採用している。

今回、SUN無線機に線量計(日立アロカメディカル製)を接続し、定期的に読み出された測定値データを、IEEE 802 委員会によるSUN 標準化ドラフトに準拠したデータフレームフォーマットにより、伝送することに成功した。

実証試験では、マルチホップによるSUN無線伝送エリアの拡張性を確認したほか、1%以下のアクティブ期間を適用した省電力動作の実証も行った。

NICTでは、放射線量の高い地域において人が立ち入ることなく放射線量を監視する手段の一形態を実証できたとしている。

SUN無線機を接続した線量計

実証試験時のSUN無線機及び線量計の構成

放射線量監視のイメージ