米Hewlett-Packard(HP)は8月18日(米国時間)、会計年度2011年第3四半期(5月-7月)の業績発表にあわせて大規模な戦略発表を行った。スピンオフを含むPC事業部の見直し、タブレット/スマートフォンOS「webOS」端末開発の停止、エンタープライズ情報管理の英Autonomyの買収計画などを一気に発表、3月に発表した企業変革に向けた道筋を示した。

HPは新しい成長戦略の下、利益率の高いエンタープライズ/SMB/政府・公共分野にリソースをシフトする。技術分野としては、クラウド、ソリューション、ソフトウェアとする。

同時に、既存のPC事業部(PSG : Personal Systems Group)について、同社取締役会がスピンオフを含む代替案の検討に入ったことを明らかにした。同社のライバルである米IBMは2004年にPC事業部を中国Lenovoに売却している。HPは今後12ヶ月~18ヶ月でPSGの今後を決定するとしている。

HPはまた、webOS事業の閉鎖も発表した。webOSは同社が2010年に米Palmから取得したOSで、「TouchPad」タブレットなどの採用端末を持つ。HPは今後、webOS搭載端末の開発を打ち切り、価値を最大化する方向を探るとしている。HPは3月、webOSを戦略的に活用し、製品ポートフォリオ全体に統合する計画を打ち出していたため、180度の転換となった。

TouchPad

新たに狙うAutonomyは、エンタープライズ検索、Webコンテンツ管理などの技術を開発するソフトウェアベンダー。HPは同社に対し、1株あたり25.50ポンド(42.11ドル)の買収金額を提示した。総額は約62億ポンド(103億ドル)。取引は両社の取締役会の承認を得ており、順調に行けば2011年中に買収完了を見込むという。

第3四半期の売り上げは前年同期比1%増の312億ドル、純利益は同9%増の19億ドル(GAAPベース)だった。スピンオフを検討しているPSGは同期、3%減のマイナス成長となっている。