IDC Japanは8月2日、国内企業523社に対して実施した「インフラストラクチャソフトウェア/DBMSの利用実態調査」に関する調査結果を発表した。同調査では、OS、DBMS、システム運用管理ソフト、仮想化ソフトウェアの導入状況・導入意向などを分析している。

2011年度に投資を優先するインフラストラクチャソフトウェアとミドルウェアについて聞いたところ、、従業員1,000人以上の企業では「サーバ仮想化」が36.3%で最も多く、前年度に比べて5ポイント以上高くなっている。これより、「サーバ統合によるコスト削減に加え、サーバ仮想化技術を利用した節電対応やディザスタリカバリーなどの震災対応、プライベートクラウド基盤構築への取り組みが、大手企業を中心に広がっていく」と、同社では分析している。2番目に多かったのは「データベース管理システム」(29.0%)で、前年度から5.5ポイント上昇した。その背景として、データベース統合やBig Dataへの対応などが挙げられている。

また、従業員999人以下では「バックアップ/データ保護」(32.4%)が最も多く、「中堅中小企業でもディザスタリカバリへの取り組みが加速する」と、同社では見ている。

サーバOSは、Windowsサーバを導入している企業のうち、Windows Server 2008を導入している企業が55.7%と、前年度の35.0%から導入率が大幅に上昇した。Hyper-Vの社内標準として使用しているクライアントPCのOSはWindows 7が12.1%と、前年度の2.0%から10ポイント以上上昇した。しかし、企業で利用されているクライアントOS自体はWindows XPが77.9%と依然高く、企業の標準OSは「Windows XP」のようだ。

ハイパーバイザーによるサーバ仮想化は、15.1%が実施済み、2年以内に実施予定が16.8%、実施を検討中が16.1%という状況がわかった。従業員1,000人~4,999人の企業は仮想化に対する意識が高く、実施済みが24.2%、2年以内の実施予定が21.9%、実施を検討中が14.1%と、60%以上が取り組んでいる状況にある。

サーバ仮想化の導入が進むと、仮想化されたシステム環境の運用管理が課題になるが、すでにサーバを仮想化している企業における運用管理の課題としては、「障害発生時に問題の切り分けや原因分析が迅速にできない」という回答が最も多かった。

仮想化したシステムの運用管理における課題 資料:IDC Japan