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Linus Torvalds氏は7月21日(米国時間)、Linuxカーネルの最新版となる「Linux 3.0」を発表した。Linux 2.6.39からのアップデートとなり、従来とバージョンの表記方法が変更されている。Linus Torvalds氏はLinux 2.6.39を公開したあと、2.6.40という番号は少々数が大きすぎると説明。Linux 20年の節目を迎えたこともあり、この機会にバージョンナンバリングを変更すると発表した。本来であれば「Linux 2.6.40」としてリリースされる予定だったカーネルであり、大きな機能変更や非互換はない。

Linux 3.0における主な特徴は次のとおり。

  • Xenストレージバックエンドの統合。これでXen Dom0として動作するために必要となるすべてのコンポーネントがLinuxカーネルにデフォルトで搭載されたことになり、従来よりもXenハイパーバイザの導入が簡単になる。
  • x86-64向けBerkeleyパケットフィルターJITコンパイラの導入。デフォルトでは無効化。
  • Btrfs関連の性能向上パッチの導入。
  • グラフィックドライバの更新および改善。

Xen Dom0として動作はするが、現在商用プロダクトで提供されているUSBデバイスパススルーなどの機能はまだ統合されていない。しかし、LinuxカーネルがデフォルトでXenに対応したことはXen陣営にとって大きな意味を持っている。これまで仮想化技術としてXenの普及を阻害していた要因のひとつが、LinuxカーネルがデフォルトではXenに対応していないことだった。LinuxカーネルがデフォルトでXenに対応したことで、従来よりもXenの採用シーンが増える可能性がある。

次のリリースは「Linux 3.1」となる。夏期休暇の時期と重なることから、Linux 3.1もLinux 3.0同様、それほど大きな変更のないリリースになる見通し。3.0の安定版は「3.0.1」として登場することになる。