米Facebookが7月6日 (現地時間)に特別イベントを開催し、Skypeとの提携によるビデオチャットなど、メッセージ (Messages)の機能強化を発表した。事前に同社CEOのMark Zuckerberg氏が「何かすごいものを立ち上げる (launch something awesome)」と米メディアに予告していたため、同イベントは「Something Awesomeイベント」と呼ばれて、大きな注目を集めていた。

メッセージの機能強化および新機能は3つ。まずチャットの新デザイン。これまでチャットを開始する際にオンライン状態の友達を見分けにくかったため、新たにサイドバーから友達にアクセスできるようにした。サイドバーにはひんぱんにメッセージをやり取りする友達がリストされ、それぞれのオンライン/オフライン状態をひと目で確認できる。サイドバーはチャットの邪魔にならないように設計されており、ブラウザ画面に十分な横幅がある時のみ表示される。

2つめはグループチャット。ユーザーからの要望が最も多い機能の1つだったという。チャットの「Add Friends」を選択して友達を追加するだけで、複数でのチャットを開始できる。

サイドバーからチャット相手にすばやくアクセス

グループチャットが可能に

そして最後に発表されたのがビデオチャット機能。友達のプロフィール画面またはチャット画面に配置されるビデオコーリング・ボタンを押すだけで、ブラウザ上でSkypeを使ったビデオチャットを開始できる。ただし、同機能を初めて使用する時だけセットアップ画面が現れる。セットアップ・ボタンをクリックし、指示に従って必要なプログラムを導入するとビデオチャットが接続する。現時点でビデオコーリングは1対1のみ。相手がビデオチャットの呼びかけに応じなかった場合でも、ビデオメッセージを残しておける。

6日の発表はメッセージ機能の強化のみで、"something awesome"が指していたと思われるビデオコーリング機能には「肩すかしを食った」という声が少なくない。なぜZuckerberg氏は"something awesome"という大きな期待を抱かせる言葉で発表を煽ったのだろうか?

同氏はイベントの冒頭で、開発者の関心がデスクトップ・アプリケーションからWebアプリへと変わり、今ソーシャルアプリへと移ろうとしていると指摘。ソーシャル・インフラストラクチャの上に、いかに自分たちのアプリを構築していくかが今後5年間のFacebookの課題になるとした。ブラウザ上でSkypeを使ったビデオチャットを実現するビデオコーリング・アプリは、その第1弾となる。この日Facebookが立ち上げた"something awesome"とは、Skypeビデオコーリングではなく、同社が取り組み始めたソーシャルアプリ群と考えるべきなのかもしれない。