Google、Microsoft、Yahoo!の検索大手3社は6月2日(米国時間)、Web検索結果に等しく構造化データを反映するための共通のスキーマセットを開発し、そしてサポートするためのイニシアチブ「Schema.org」を発表した。Webマスターが一カ所でマークアップを確認できるリソースを目指したWebサイトを用意している。
検索からのトラフィック獲得を狙って構造化データを提供するWebサイトが増加しているが、これまでは検索エンジンが個々に構造化マークアップをサポートしていたため、検索エンジンごとのデータ要求方法の違いへの対応がWebマスターの負担となっていた。こうしたWebマスターの時間と費用のムダを省くために、3社は協力してSchema.orgを発足させた。構造化データマークアップの標準化を目指す。
Schema.orgを通じて、サイト所有者や開発者は構造化データについて学び、大手検索エンジン(Google、Bing、Yahoo!)に適切なデータを提供するためのヒントを得られる。共通のスキーマを採用するWebサイトの広がりが、ネットユーザーのよりリッチで便利な検索体験につながり、さらに他の検索エンジンにも対応が拡大する……そのような良循環への発展を3社は期待している。
「長期的なゴールは幅広いフォーマットのサポート」としているが、まずはセマンティックマークアップとしてHTML5仕様に提案されているmicrodataに集中するという。GoogleはmicroformatとRDFもサポートしており、引き続きGoogle検索のリッチスニペットは3つのフォーマットに対応するが、今後はmicrodataの採用を後押しする。BingもTilesなどでOpen Graphやmicroformatをサポートしており、今後も多様なマークアップを受け入れる計画だが、「Schema.orgにおける標準化では、Webマスターがマークアップをシンプルに選択できるように力を注ぐ」としている。
BingのSteve Macbeth氏は、WebマスターがSchema.orgをリソースとするべきメリットとしてサイトの"簡略さ"を挙げている。映画、音楽、TV番組、場所、製品、組織など、100を超える豊富なカテゴリーが用意されており、Webマスターがそれぞれに適したスキーマを容易に見つけられる。今後もWebコミュニティの協力を得て、必要なカテゴリーを拡大していくという。